夏が始まる空を見つけた


多分それはこの人生では2回目だ

なんのことはない

雲の間から青空が少しのぞいただけの景色だけど

僕にはビビーっと来て

きっと明日から

夏が始まるんだって

根拠もなく感じたのさ


まだ

蝉の鳴き始めていないこの時期の

ほんの短い腐敗していない夏が始まる

アノコロとかアイシテルとか

セイシュンとかジュンジョウとか

衝動と汗と恋と劣情の嵐の中


半袖を少し折り返した

制服の白いブラウスからのぞいた

君の白い二の腕に

僕の青春はあって

胸いっぱいの季節に

愛に行きたい僕の中の年老いた少年が

夏だったんだねって言うまでの

ほんの短いキスみたいな

耳たぶみたいな

たぶんそんな

たぶんそんな


夏が始まる空


きっと君も見つけたんじゃないかって

僕はまだ思うんだ