排泄物のフーガ

昼下がり

 微睡むような光

  僕は内臓に浮かんだ

    気泡のような違和感を

      言葉に変えて吐き出そうとしてみる

  ひ弱なだけのそいつは

  とらえどころもなくて

    心臓の周りを包んだまま

 柔らかいアンニュイに僕を酔わせていた

排泄物なんだ

 思う

   こころという寄生体が不完全に支配した

  僕というこの個体は

内側に蓄積する老廃物を

浄化するシステムを持たない

  かろうじて生きているというバランスのために

 排出し続ける宿命を負っているのかもしれない


 不協和音をも含んだ

  幾重にも絡んだアルペジオが

無調性のシュールを奏でるのを

 肺臓の奥に聞きながら


 昼下がり

  微睡むような光


放し飼いした感触の

  色彩以前のフーガを聴いている

 


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夜の迷子(2年前

この夜に 迷子になりたい
こんな夜の 迷子になりたい

輝いた日々の 恋の後ろ姿を
積分した答えが 予感と呼べるなら
子供じみた恋に落ちる特権を 
青春と呼べるなら

僕は
この夜の 迷子になりたい
こんな夜の 迷子になりたい

彷徨って さすらって 
生まれそうな朝のあくびが
山の端にためらいがちな
背伸びしたら

僕は君を連れて
夜を祈るんだ
明日を隠しに
夜を祈るんだ

この夜の 迷子になりたい
君の闇の 迷子になりたい
この夜に 迷子になりたい
ふたりぼっち 迷子になりたい
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