くすぐったいより

少しだけ強く

痛いより

微かに弱い


多分 そんな場所に

 僕らの官能基があって

感情としての涙腺があってさ


憎しみが混じらない愛撫が

あんなにひ弱なのは

核心に触れてしまう爪先が 

丸くなり過ぎているから

なのかなってさ


殺してしまうかもしれない強さを

内包しない言葉なんて

想いに値しないんだ


そんな言葉が聞こえて

僕は少し驚いた


殺せる力はたぶん

自分をも壊し得る力なんだろう


なんかを捨てないとダメかもしれないなと僕は


拾う価値もないこの命とその歩みたる

人生とやらを想ったんだ