真夜中

不安系の夢で目覚める

結構明晰なヤツで

苦い後味が口の中に残ってしまっていた


そっか

どっか遠いところに仕舞い込んでいた

そいつは確かに僕の不安だった

夢に現れたということは

僕がその不安をようやく受け入れられたということだろうと僕は

我流のフロイト的夢判断を行なってみる

わからない夢もあるけれど

自分でなら

結構心当たりはいろいろね

そして夢として深層の闇から解放された想い達は

そのまま夢として昇天する

力を抜いて自分を上手に許せたのか

こころというアンニュイの

自然治癒力を少しだけ後押しして僕は

真夜中過ぎの夜に浮かんでいた


どうしようもなく傷付いた心も

傷跡は残してもどうにかなると

僕はまだ信じている

残ってしまったケロイドの傷跡でしか歌えない歌

僕は歌いたいんだよ

ユング的人類共通の哀しみに

アクセスできる暗号が

きっと混じっているんじゃないかってさ

僕は信じてやまないんだ


しあわせな人は歌えない

でも

人類共通の哀愁はきっと

遺伝子に染み込んでしまっているから

みんな同じように寂しくて

愛が欲しくて抱き合うんだなってさ


聴きたい人は歌いたい人

歌いたい人は泣きたい人

夢っていう涙を成仏させながら

身軽になっていけたら

いいよね


あっ!

もう朝だった


ううん


うん!


君に会いたい朝だよ