遠い昔

ちゃんと殺してあげなかった想いが

僕の小さな朝に浮かぶ

雨なんだね

もう少しで止むかなぁって思った

僕の耳に

あの頃の君の横顔と薫りと

やっぱり殺してあげられなかった

あのメロディーが一緒に甦る


夏の匂いがする

言えなかった言葉達と

ひ弱な恋情と

幾つもの恋の未熟児達が

僕をがんじがらめにして

命はまだ

卍固めの苦しみに悶えて

でも恍惚となってもいるんだ


ひ弱な紫陽花が

それでも控えめに咲いているね

君が枯れ果てる頃

僕らの季節は始まるのさ


たぶんきっとね


夏の匂いが手のひらに

こぼれ落ちそにうずくまる

この長い旅路を騙すように

バラバラなことひとつずつ

繋がっていくこの頃は

答え合わせの季節にはもう

遅いけど



あぁ


愛してるに死にたいなと

今日を想うんだ