世の中に美しいものを探せば

それは多分見つかる

美しいか否かとは別に

美しっぽいものは溢れている

けれど


さみしいものを

儚げなものを

見つけるのは

結構難しいのかもしれない


そのままのアンニュイを

表す手段としては

詩歌という手段も悪くはないかなぁ

多分得意だよなぁって思った


儚げで寂しげで

だからこそ美しい

そんなもの


遠い湖の畔

寡黙で深い緑の木々が取り囲んだ

密やか窒息

凛としてシャンとして

見る者もいない場所で始まる

無伴奏の静かな舞が浮かんでくる

妖精かアヤカシか

わからぬある種のめまいがが

引力とは違う種類の妖艶を演じていた


そんな種類の


絵が描けたらと

写真が撮れたらと歯痒いけれど

僕は言葉しか使えないから


そんな絵を描く真似をする


少女以上女未満

女以上少女未満


言葉は知らないのだろうかというほど喋らぬ横顔の

笑えばもっと美しいのだろうなと思える輪郭が

やはりそもままでも淫靡に見える季節の

季節の隙間に浮かぶ幻燈


少し反り返った白い指先の

描く円弧のイデアが

見えた気がして目を閉じる


うん

こころが確かに

感じたのだ