二つ並んだワイングラスの向こうの物語を

まだ見たくない僕がいて

どうしても欲しがってしまうことの罪深さを

噛み締めている


愛してるが

アイシテヨを含んでしまうこと

それは罪なのか罰なのか

生きていること自体が罰なのかもしれないと僕は


ううん


なんでもないよ



その人のしあわせだけを祈れたら


命は許されるのだろうか


わからないまま終わるんだろうな


だって

押し殺したって

やっぱり欲しいんだもの


ううん


なんでもないよ