ああ

いつだって言葉は

今ここにあるプルプルした感傷を

写実し得ないのです


時間をかけてスケッチしていくうちに

その景色の鮮度は

揮発していってしまうんです


それが悲しくて切なくて

それを全部伝えたくて

誰あろう君に伝えたくて

その想いのベクトルこそが

恋ではないかと

恋の本質ではないのかと思ったんです


発情という感覚を

色彩を使わずに

恋を記述した

初めての人に

僕はなりたいのです