例えば空に帰ってさ
もちろん何十年待ったとしても
僕の想う最愛にとって
果たして僕は最愛たる魂なのかっていう
致命的な事象にぶつかった
待つことはむしろ得意で
何年待っても平気なのだけど
ようやく天上界に召されたその魂が
僕じゃない誰かを探していたら
僕はそれでもその魂の求める最上級を
祝福できるのだろうか
これじゃあ
死んでなんかいられない
命を失ってもまだ
素直な願望を噛み殺し続けなんてさ
死んでいいのか
生きていいのか
全然わからくなるなって
なんてさ
ふっと気がついた日曜の朝の
炒飯を作って食べた後の放心が
ここにあるんだ
ねえ
だから当分死ねないことにはなったよ
寂しく笑った横顔を
見つめてくれる視線もない
ひとりの食卓の上に残った
柔らかい残酷を
食べきれないなって冷蔵庫にしまい込んで
小さくて滑稽な孤独は干からびていくんだ