言葉を捕まえられない日々です


愛に満ちた羊水の中では

愛は探されないのでしょう


僕の指先にキスを乗せ

君のくちびるに

控えめに触れようとした時の

フリーズして

5mmだけ無意識に逃げたそのこころに

あんなに喜び

或いは喜んだフリで歓迎してくれた

その頬への愛撫に凍った瞳にも

透明だけど決して破れない隔絶を

僕は感じたのですよ


それ以上を望まない指先はきっと

物欲しそうにそれ以上を宿した架空をまさぐる宿命なんです


それが痛みであり苦渋でしかないのなら僕は


今時中学生でもしない恋のためらい傷を沢山こころと粘膜に付けて

純情と一緒に肥大していく劣情が

歌に逃げ場を求めてしまうんです


最愛を一番輝かせるために

その人の新しい恋を祝福しながら

余生を

長過ぎる余生を過ごせというんですね


ようござんす

その件

承りました


要介護の枕元で

新しい恋の歌を聴き続けていただきます


覚悟を


覚悟を決めてくださいな