詩人を待てずに僕らは

自らを詩で汚す

非詩人の詩は世間を切り裂き

自らをもエグるけれども


詩人を待てずに言葉を振り回す

救いのようなフリの殺意

悲鳴まみれの分かりにくいSOS



神のみが成せる完璧な調和など

完璧な調和など

炎上さえしない

酢えたジョークでしかない


だけどやっぱり本物を見たいと

心の臓の奥のシコリが

毒ん毒んと痛み続ける


本物を知ればきっと

言葉を忘れられる

無駄な人生も

命さえも

糞ったれが


詩人を待てずに詩を汚しちまった

神聖を待てずに体液を擦り付けた

自己陶酔だけは得意な偽物が

繁殖し増殖し侵食し変色し

詩人はやっと物笑の代名詞になった


なあ諸君

もう手遅れなんだ

ひ弱なホンモノなんて駆逐して

生ゴミ臭いヤツを振り撒こうじゃないか


詩を汚しながら僕らは

ヤマノアナタヲ噛み締める

くちびるに滲んだ緋の

汚れ得ない鮮度の夢の

夢のまた夢かぁ