僕とジュジュの魔法16


真夜中過ぎの例のある種特別な

妖気とでも言えそうな雰囲気が世界を静かに満たす頃

予想していたよりも穏やかノックの音が時間を目覚めさせた


「開いておるぞ」


暗めの色のコートに帽子

皮の手袋を紳士然とした大柄な

だけど痩せた男がドアを開く


「どうも お招きいただき光栄ですな 随分とお久しぶりですな、ご老体」


「ご老体とはご挨拶だな メフィスト殿」


「まあ お入りになりなされ」

男の後ろから、まだ様になりきらない魔女もどきの影が入ってきた


もちろん 彼女だった