疲労困ぱいの五月 
誰かの薫りを枕に 
しあわせという夢が見たいだけなんだろうな 
僕ってやつは  

人生が死への枕詞だとしても 
自己完結しただけの寂しさにだけはするまいと 
暗闇にまだ強がる僕はいる 

誰かの喜びが 
別の誰かの悲しみになる世界では 
結局盗人達は無一文のまま眠るのさ 

夢を見よう 
五月という飛び切りの夢を 
美しいはずの季節に 
眠りほうける素敵な夢を 
逆撫でに遊ぶ指先が 
愛おしくて堪らなくなる 

そんな夢をさ