売り切れてしまった誰かの温もり 
失うだけの空虚に
寂しさと安堵が交差する春の宵ではある 

本当は四六時中発情していて 
そのタガを外さないだけの僕らは 
非常口の前に積み上げられた 
沢山の肩書きの前で
呆然と立ち尽くしてしまうんだよね

指ひとつ触れないことが正義だと 
誰かが 
確かに誰かが教えてくれたんだ 
でもその誰かって 
一体誰だったんだろう  

問い詰める春に 
夜は窒息したフリをしている 
いつだってね