無理に隠さず
嫌らしく見せもしない
そんなサインが
今浮かび上がった
時間を隔てて
ゆっくりと
僕の心象に浮かび上がった

敏感で鈍感な僕の触覚が
力加減もわからず
ただ優しいだけだった指先を
呪っている

擦り傷だらけで
だけど素直な
そんな誰かの寝息の隣りに
愛されたような記憶を
気付かれないくらい微かに

抱擁とあと少しが
僕らが欲しがった日常なのかもしれない
抱擁とあと少しで
溶けてしまえたら朝は色を変えるだろう