君と君が混じって 
僕は僕でしかなくて  

三日前 
久しぶりに月を見つけて  
微動だにしない僕の心が 
少しだけ微笑んでしまったこと  

そう 
逢いたかった心を見つけた時のように  
恋を隠して
優しいだけの人間を演じていた心が 
最愛の前で 
もろくも嬉しいと恥ずかしいを 
一瞬だけ零してしまうような  
おぼろげな気配 
月は僕を好きなんだろうかとか 
それくらい荒唐無稽な感触で  
有り得ないよねなんて微笑む 

いいさ 
たとえ幻でも  
気配としての陶酔を一滴  
仄かに広がる甘い薫りのように 
ちっぽけな魂が頬を赤らめる  

いつか 
歌が届けばいい 
いつか言葉が薫れば 
しあわせだ