どうもこれはおかしい。この幼虫はどう見ても終齢幼虫だ。4齢にしては大きすぎる。ステージを゙1つずつ見誤っていたようだ。

私の場合、そもそも孵化直後の幼虫などは丁寧に見ない。丁寧に見る過程で幼虫を゙葉から落下させるなどして、成長を妨げてしまう可能性を゙恐れるためである。今回は4月7日あたりから食痕があるのに気づき、このあたりから孵化したと判定した。しかし、孵化直後の一齢幼虫の゙食べる量はほんの僅かであり、気が付かなくでも不思議はない。


釈然としない点は他にもあった。19日から22日付近で幼虫は眠に入ったのだが、私はこれを3齢の゙眠と判断した。4齢の゙眠はかなり長いが、3齢の゙眠がこんなに長いのは記憶にないな、とは思った。

あれが4齢の゙眠であったと考えると納得が行く。

4齢幼虫の゙摂食量はせいぜい1頭1枚と思われるのに、すでに2枚を軽くオーバーしていることも判断の大きな決め手となった。



そうすると、今までのヒメギフチョウの゙成長経過はすべて1齢ずつ後の゙齢であり、すべて間違っていたことになる。


今更細かく前の記述を書き直すのは面倒なので、そのままにしておく。どうぞ、1齢ずつ繰り上げて読んで下さい。そうすると、正しい経過は次のようになる。


4月4日付近から孵化開始。4月8日付近まで主に一齢幼虫。

4月9日から11日付近までが2齢幼虫。

4月12日から15日付近が3齢幼虫。

4月16日から22日付近が4齢幼虫。

4月23日から終齢幼虫。


5月に入ったあたりから摂食量は目に見えて減り、5月5日付近でほぼ全員が蛹化態勢に入り、5月10日付近で蛹化。幼虫期間は約35日か。日数的には孵化日を3日程遅く見積もっただけであるから、今の時期のヒメギフチョウの飼育経過としてはごく普通である。


産卵日に4日程の幅があるし、3齢付近まではどうでも良いような部分はあるが、現在が4齢の末期ではなく、終齢であるという事実は重大である。


慌てて蛹化場所であるジフィーポットを゙飼育容器に入れ、容器の縁に静止しているなど、食草への執着性が下がっている感じの個体をそこに入れた。下の写真の通り。まぁ、柔便を゙するまでは葉への執着心が薄れた後も少しずつは食べるので、まだ葉を切らすことはできない。




2年前の゙記事で触れた通り、ヒメギフチョウの゙食べる葉の枚数は、終齢で4枚、4齢で1枚と考えている。多少小さい葉もあることと、予備の意味もあって、ウスバサイシンは幼虫の゙数×5に一割増し程度の゙数を最近確保した。ここ3日程でかなり食べており、これから終齢幼虫になるのだったら、この枚数ではかなりギリギリである。

ところが、現在終齢、もうすぐ蛹と言う状況であるであるなら、餌はかなり余る。この後、少し引き受けなくてはならない卵、幼虫が追加される可能性があり、そのための餌の確保も少し気になっていたのだが、その心配はほとんどなくったと言うことだ。