ゴマダラチョウが産卵を開始してから10日以上経った。2頭目の小さな雌は産卵開始後3日程で死亡したが、1頭目の大きな雌はまだ元気に産卵している。この間、ちょっと厄介なことが2つ程起こった。


第一は、エノキを使った飼育ではありがちなことだが、卵の入っている袋の中でエノキワタアブラムシが大量に発生し、卵の付いている葉も含め、かなりの葉が落ち、残った葉もアブラムシの排出物に多量に含まれる糖分でベタベタになって来た。


第二点、これは第一点と大いに関係するのだが、卵の孵化が未だに確認できてない。観察レポ 

の6月下旬頃の観察結果によると、卵は5日程で孵化しているのに、これは一体どうしたことだろう。卵の上部は色が変化しており、未受精卵ということはないはずであるが、あまりにも孵化が遅い気がする。


雌はもう新しい袋で産卵させているが、初期に産卵された卵が入っている袋をこのままずっと掛けたままにしておくと、いずれすべての葉が落ち、卵の救出も容易ではなくなる。やむを得ず、袋を一時的に外し、アブラムシに退散を願うことにした。


もししたら袋を外したことが原因で、幼虫が寄生されたり、アリに殺されるかもしれないが、そこは目をつぶるしかない。袋を外している間にアブラムシはかなり減り、葉は生気を取り戻し、卵の様子の確認も容易になった。そして、孵化幼虫の撮影もできた。それが下の写真。卵殻を食べている。



内心ずっと気になっていたことだが、この雌は大きく立派ではあるとは言え、交尾した相手の雄は羽化後3日しか経っていない。受精卵を産めるのだろうか、という心配をしていた。それは杞憂だったようだ。


今日は「雄は羽化から3日後程度でも問題ない。そして5月前半で産卵された卵の孵化は10日程かかる」という事実が確認できたことが大きな成果である。