甲府盆地の北東部を1箇所歩いた。なお、甲府盆地に関しては別件で3月初頭に行くついでができた。こちらは北西部、オオムラサキの多産地の近くの2箇所に寄ってみようと思っている。この結果については、後日別に触れることにする。

 なお、コヒョウモンモドキについては、まだ摂食の動きを確認していない。これについては、ゴマダラチョウの話題がすべて終わった後、3月半ばあたりに経過を書ければと思っている。


今回歩いた場所は、ブドウなどの畑が多く、山沿いの急斜面以外はほぼ全体が畑になっている。このような場所は調査対象とはならないため、近くに沢が流れ、沢と畑の間に雑木林があるような場所まで歩いた。


この雑木林の畑寄りに、沢と平行に簡易舗装の道が通っており、道の脇、沢沿いの林の道路に面した位置でエノキを見つけた。


この場所は過去にも歩いたことがあり、数は多くないがオオムラサキが付近のクヌギの樹液に飛来しているのを見たことがある。事前の印象としては、多くはないがオオムラサキが生息している場所である。

エノキの数が少ないせいか、根元にはかなり多くの幼虫が見られたが、その大半がアカボシゴマダラの幼虫であった。

オオムラサキとゴマダラチョウもいたが、数は多くなく、両種の数はほぼ同じだが、両方合わせてもアカボシゴマダラの半分ほどの数であった。

オオムラサキ、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラの3種の幼虫を1本の木から見つけたのは初めてであり、恐らくオオムラサキしかいないだろうと考えて訪れた場所に3種がいたのは予想外であった。


それにしても、このアカボシゴマダラ、どこから分布を広げて来たのであろうか?



八王子市、高尾付近生息していることは間違いなかろうが、桂川に沿って分布を広げて来たとすると、笹子峠を超えなくてはならない。あるいは、河口湖から御坂峠を通って黒駒に抜けるルートだろうか?旧道に沿って多少ともエノキはありそうだし、河口湖方面まで分布を広げていたとしたら、こちらのルートの方が楽かも知れない。奥多摩、柳沢峠経由という手もある。今回歩いた場所はこれが最短ルートであるが。

それとも富士川に沿って北上?不可能ではないと思うが、大前提として、西は富士付近まで分布を広げていたのだろうか?


どのルートを通ったにせよ、驚くべき分布拡大能力である。次回触れるが、この分布拡大能力の高さには理由があると考えている。案外どのルートでもなく、「誰かが放した」という可能性もあるのだが。


帰宅後ネットで検索したところ、アカボシゴマダラは今回多数の幼虫を見た甲州市だけでなく、甲府市でも見つかっているようだ。オオムラサキの本拠地の近くはどうか?その結果はまた3月になってから書くことにするが、次回は一旦具体的な調査地の話題を離れ、一般論として主にゴマダラチョウ、オオムラサキなどの分布について触れて見たい。