前回更新から随分時間が経ってしまった。この間の状況について触れておく。一言で言えば、かなり深刻なスランプに陥っていた。


まず、屋久島には予定通り8月27~30日に行った。天気は4日のうち3日晴れ。屋久島としては上出来である。

実は行く前から嫌な予感がしていたのだが、悪い予感ほど当たるものだ。



それは、今行ってもミヤマカラスアゲハはいないのではないかと言う予感である。


ミヤマカラスアゲハの発生サイクル、すなわち産卵から卵期、幼虫期間、蛹期間、羽化後産卵までの期間は最短で約2ヶ月だと思う。産付された卵が孵化し蛹になるまでが1ヶ月強、蛹が羽化し、交尾、産卵するまでが1ヶ月弱と言う計算である。成虫の活動はかなり天候に左右されるため、雨が降り続く期間があると、この期間は多少とも伸びる。勿論、産卵から産卵までで期間を考えるのでなく、成虫の発生ピークで考えても同じことである。


6月下旬に成虫を全く見なかった。いくら雨が降り続いていたとはいえ、ミヤマカラスアゲハは多少の雨ならば飛ぶし、実際他の種は少ないながらもいた。

これは、8月下旬に行っても成虫を見ることはないと言うことを意味するのではないかと言う危惧は感じていた。

そして結果は目撃0。


ツマベニチョウの雌を採集したことは採集したのだが、この個体についても、何だかおかしいな、と言う印象を持った。


普通ツマベニチョウは上空とか、ハイビスカスの上の方など、上にいるものを採集する。ところがこの個体は林道下の草むらに静止していた。おかしな感じはするが、かなり破損しており、未交尾と言うことはないだろう、決して弱っていると言う感じはしないし、と言う感じで首を傾げながらも採集したのだが、案の定1卵も産卵せずに死亡した。


帰宅後、もう信州や上越のミヤマカラスアゲハ雌の採集には遅いとは思ったが、晴れの日を見つけて上越に行ってみたが、やはり全く姿を見ず。その後、伊豆半島の第三化が出ていないか、見に行った。しかし、これも姿なし。

目撃0の三連敗である。


この秋は飼育するミヤマカラスアゲハは0か、そろそろ高い枝を切り揃えなくてはならないな、そんなことを考えていた時、奇跡が起こった。


その話題については次回に。