久々の更新になった。現在屋久島宮之浦の民宿「まんてん」にいる。この所ハマっていた倉嘉ルチルさんのネット小説の更新が最近止まっているが、このブログもそれ以上の期間の更新停止となってしまったことになる。まずは前回の屋久島行の後の結果について書いておきたい。

ミヤマカラスアゲハ
雌2頭と雄1頭を持ち帰ったが、共に産卵は極めて順調。飼育も順調であり、150を超える蛹が得られた。とは言え若干問題はある。
今まで、秋のミヤマカラスアゲハの屋外飼育で、夏型が羽化したことはほとんどなかったのであるが、今回は1割程夏型が出た。ハマセンダンの木の近くに街灯が付き、長い日長を感受した個体が出たことが原因のようだ。
多くが下の写真のような、夏型。


しかし、4分の1程が下のような派手な個体。大きいが秋型と言って良いだろう。


先週までに、パラパラと6雌2雄が羽化していたが、屋久島行きのチケットを取った後、一気に6雌1雄が羽化。大きな夏型を標本にする気はしないので、ヨレヨレで死にかけの1雄を除き、12雌2雄を現地に帰還させることにした。呆れるほどの雌の比率の高さ。なんなんだろうね、こいつらは。
最初に羽化した6雌までは交尾させたが、残りは未交尾。運が良ければ雄と出会い、産卵するだろうが。

蛹のほとんどは形が良く、十分大きかったが、丁寧に見ると「これはやや小さい」とか、「先の角とかがちょっと曲がっている」と言う感じの個体も少しはある。数は十分あるので、累代にも標本にもしない個体を沢山羽化させる意味はない。徹底的に吟味して10個程選び(笑)、これも帰還してもらうことにした。

ツマベニチョウ
ミヤマカラスアゲハと異なり、採卵は難攻不落であった。まず、持ち帰った雌の産卵を期待したが、なぜか全く産卵せずに死亡。1頭は死後に調べたところ、腹部に卵がなかったため、それが原因かも知れない。成虫の採卵に失敗した後、幼虫や蛹の羽化を待ち、ハンドペアリングを試みたが、これも全く成功せずに終わってしまった。

ツマベニチョでウのハンドペアリングの失敗は、全くの想定外であった。シロチョウ科はアゲハチョウ科と同程度に交尾器が大きく、ましてや巨大なツマベニチョウ。アゲハとは勝手が違う。

今回成虫を採集しても、時期的に産卵、飼育は無理だろう。幼虫を採集し、休眠状態を観察すると共に来春、再度交配を試みようと思う。そのための材料を得ることは、今回の主要な目的の一つである。

それ以外の目的は2つあるのだが、明日触れることにする。
今回は急な決定だったせいか、早い便が取れず、到着が午後になってしまった。宿も宮之浦地区の時に泊まるやくすぎ荘が取れず。
空港周辺の林を夕方まで歩き回ったが、やはり空港周辺のものは植栽なのか、ギョボクの自生は見られなかった。飛んでいたのはボロボロのアオスジアゲハ・モンキアゲハと、アサギマダラ、多数の地這いシジミのみ。交尾済みのミヤマカラスアゲハ雌をカラスザンショウやハマセンダンが多い場所で逃がしただけで終わったので、収穫はマイナス6頭と言うことになるか。宿も、色々な意味でいつもの場所の方がいいな。

明日は主に一湊から永田の林道を流す。天気は良くはないが雨はほとんど降らないと言う予報。