大河ドラマ「平清盛」
第38話「平家にあらずんば人にあらず」と第39話「兎丸無念」見ました。

大河ドラマは、やっぱリアルタイムで見ないとダメね。
いくら時間が取れないからって、1日に2話連続で見ると衝撃がハンパないです。

特に今時期は「平家滅亡への自業自得」の雰囲気満載で回ってますから。

このブログ打ってるいま現在、頭が真っ白ですよ・・・・。



■禿集団

禿(かむろ)が出てくるあたり、今年の大河はキレイゴトで済ませる気ナシなのだなぁと思っていたのですが、その徹底振りがスゴイ。

汚れ役を時忠1人に押し付けるとしても・・・・です。


赤い童子の密偵集団が、平家の恐怖政治を演出しています。

いや、密偵と呼ぶには、あまりに目立ち過ぎてますが。
覆面&黒装束で街道を歩いている、時代村の忍者ぐらい目立っています(笑)

「赤禿が徘徊して平家に反するものを捜索していた」っていうけど、それじゃ政治犯捕まえられないんじゃないの?と以前は思っていたんですが、「黙らせていた」という解釈なんですかね。

時には盗聴器、時には憲兵、時には暗殺部隊・・・・。
屋根の上にまで現われたりして、もう三味線の糸で政治犯の首を吊り上げても、違和感がない(笑)

本当に禿集団が怖いです。あの赤い羽根は「平家の赤」という意味もあるんでしょうけど、「しあわせの青い鳥」の反対という感じも滲み出ている感じがしてしまいます。


あと、犠牲者(あえて)を包囲して鞭(なのかな?)を向ける様子が、ワンドを向けてホールドアップを迫る「ハリー・ポッター」の魔法使いたちに見えてしまいます。

もう、妖怪だよね(^^;


■徳子入内とmgmg対決

先週の放送で、八条院の流言飛語(デマ)攻撃にもめげず、腹黒い成親の傍観にもめげず、徳子が入内しました。

時忠に続いて滋子も政治家(策士というより)に変貌。
というか、完全に「嫁いだ家の女」になりましたね。

堂上平氏では、いつの間にか時子だけが浮いたような存在になってしまいました。


その時の、後白河法皇の「もぐもぐ対決」

何なのwこの人って一休サンだったっけ?とか、ツッコミたくなるようなトンチ勝負(笑)

西光の「(もぐもぐ)暗闇を食べましてござりまする」は、「まさか、信西が亡くなったときの、あの宵闇のこと・・・・?」とか深読みしてしまったw

そして、「食べた人を、わしが食う」という、後出しジャンケンのような頓知で誰からも勝利をもぎ取る後白河院は、「清盛の野望」も食べてみせると言ってしまいました。

となれば、清盛の野望である徳子の入内を認めざるをえなくなるわけで・・・・。
「どうぞ、お召し上がりください」と返す清盛も、すっかり悪い人になったなぁ。

で、清盛はこの大輪田泊のことを「夢」でも「理想」でもなく、「野望」って言ってるんですよね・・・・。


それにしても、徳子入内って、もっと華やかなシーンになると思っていたんだけどなぁ。
なんか寂しさが漂います。平家絶頂の祝賀ムードという感じがまるでなかったですな。

これは、それまで「源氏物語」を肌身離さなかった時子の「いまは戦支度のようにも見えます」という台詞が、そう思わせているのでしょうかねぇ。


■五条大橋

遮那王(牛若)と弁慶(鬼若)の直接対決!

あんなに神出鬼没だったから、てっきり牛若と知っていて対決を吹っかけるのかなと予想してましたが、全く動向を知らなかったという・・・・今まで何で探らなかったの弁慶。

それでも、すっかり落ち着いちゃった当番組で久々の殺陣は、わくわくしましたw

弁慶の泣き所を叩いて退治するのも、日本人として納得の決着方法(笑)

遮那王を持ち上げて「たかーいたかーい」は、さすがにやり過ぎだと思いますけどね(^^;


そんな今週の始まりが描かれた五条大橋が、終わりには兎丸の最期の地に・・・・。

「源氏の出会い」と「平氏の別れ」。またしても対比です。

弁慶と遮那王の対決のとき、ばーっと出てきて、何故か去っていった赤禿集団は、ここが彼らの「巡回先」であることを印象付けるための演出だったんでしょうかね。


■兎丸、無念。

清盛が生き急ぐ理由。「一度負ければ終わり」
まるで、義朝を思い出しているかのように。

メイクなのか、目じりにしわができています。

趙伯圭から返事が来て、宋との貿易が確立間近。
彼を迎えるために「半年かかる」という普請を「3ヶ月でやれ」と、無理を通そうとしました。

これが部下たちに犠牲を強いることになり、兎丸と反目することに。

てっきり、先週の「赤禿」と「平家にあらずんば人にあらず」を責めたら、諫言して聞き入れられず、袂を分かつのかなぁと思っていたのですが、こんな些細なことでの別れになってしまいました。

赤禿をなんとかしなかったのは、兎丸との反目ではなく、彼の命を奪う失策の象徴として動きます。

まるで、清盛の母・舞子がたくさんの矢で射抜かれて死んだように、たくさんの羽根を突きたてられて。
まるで、清盛の上司・信西の首が晒された時のように、橋から打ち捨てられた兎丸を見つけた朝。

それでも、清盛の妙なまでの静かさ。
どことなく、白河院と重なりました。

中盤頃は忠盛とよく重なっていたのですが、最近は全くその面影が見えませんね。

清盛が白河院の「もののけの血」に逆らっていた力の源は「もののふの血だ!」だったけど、もののふっぽいことを最近全くしてないから、逆らえなくなってきているのかなぁ。

清盛のもののふとしての初めての活躍を飾った兎丸の退場で、ますます「もののふ」としての血は死んでいくのだろうか・・・・。

平家も「豪奢な宴をするのが社是」みたいになっているしねぇ。


「兎丸無念」って、夢破れて清盛の元を立ち去る話かと思ったら、まさかこんな別れが描かれるとはね。

てっきり、「壇ノ浦」か「屋島」の、どっちで死んでしまうんだろうと想いを馳せていたので、まさかこことは・・・・。

でも、そりゃあそうだよな・・・・という気も。

清盛と兎丸が表と裏の関係ならば、兎丸が清盛よりも後に死ぬことはないよな。
それが清盛の失策であったかどうかの違いだけで・・・・。

個人的には、兎丸と清盛は「銀河英雄伝説」のキルヒアイスとラインハルトとダブりました。

まさか、このふたつがダブって見えるとは思わなかった(^^;


海賊船の上で語り合った夢は、兎丸の死とともに幻となって消え、後には孤独な清盛が残り。

もう滅亡のカウントダウンは止まらない。

年末に向けて、諸行無常なクライマックスが近づいてまいりますね・・・・。