大河ドラマ「平清盛」
第35話「我が都、福原」第36話「巨人の影」見ました。

当日の19時から35話、20時から36話の本放送と、連続で見たせいか、どっちがどっちだったか記憶が混ざってしまいました(笑)

なので、両方まとめてお届けしますw


■清盛、剃髪。

仁安三年二月十一日。

無理矢理の目で見れば鹿ケ谷まで繋がっていく、清盛の出家がありました。

授戒役は、天台座主明雲
かの「祇園乱闘事件」の折に、平家とメンチ切った僧侶です。
大河ドラマでは、ゲジゲジ眉毛がおなじみ(笑)

平家は、清盛の授戒を機に比叡山延暦寺に接近していきます。


一方、後白河上皇は三井寺を授戒役に指名。
比叡山とは距離を置く方針の表明となり、これが山法師の「荒らぶる魂」に油を注ぐことに。

やがて藤原成親の配流・解官騒ぎへと発展し、この怨みが「鹿ケ谷」へと繋がっていくわけなんですねー。

それにしても、清盛と後白河が剃髪したことで、ラスボス大集合と言う感じになってきましたね(笑)


■頼盛の落日

仁安三年二月十九日。
5歳の六条帝が、8歳の憲仁親王に譲位。
高倉天皇が即位されました。

同時に、生母である滋子が皇太后にクラスチェンジ。
それまで皇太后だった藤原呈子が院号を受けます。
(呈子は、忠通さまの養女の女性。想像妊娠してた人・・・・というと分かるかな?)


そして、皇太后宮権大夫に宗盛が就任。

宗盛がこの大役に就任したのは、滋子の異母妹・清子を正室に迎えているからなんですねー。
(重盛は、そこまで滋子と繋がってなかった・・・・はず)

そして、ドラマでは触れられてませんでしたが、皇太后宮大夫(「権」がつかないほう)になったのは源雅通という人で、実は明雲の弟だったりします(村上源氏)

清盛の授戒が明雲で、その直後に弟が皇太后宮大夫に抜擢とは。
なんだかクサイですねーw


ここで、頼盛は皇太后宮権大夫を辞任。

頼盛の母親は池禅尼・・・・というのは、もう周知のことですが、池禅尼は藤原家成(成親の父)の従兄弟だったことは覚えてますか?

家成は、さらに美福門院の従兄弟でした。
この関係から、池禅尼は美福門院に近く、その実子である頼盛も美福門院に近い政治的立場を持っていたことになります。

で、憲仁親王の母親役をやっていたのが、呈子という美福門院の養女
この繋がりから、頼盛は皇太后宮権大夫を任されていたというわけです。

しかし、後白河上皇が滋子を皇太后にしたいがために、呈子は院号を受けて引退させられます。

こうして、頼盛は皇太后宮権大夫を辞任することになり、そして八条院(美福門院の実の娘)の御前に出る・・・・という流れになるわけですねー。


・・・・と、解説だけで終わってしまいそうですが(^^;

出家した清盛の美ハゲを見た頼盛さまの、驚きのお顔が良かったです(笑)

あと、不満を募らせて不穏分子となりつつあった頼盛のハートを、清盛が射止めるシーンも。

「口うるそう一門を支えよ」と、忠盛と清盛が。
「途方もない兄を持つ弟の宿命であろう」と、忠正と頼盛が。

それぞれダブりながら、心の推移を描いていく。

これは、初回からずっと見てきた者としては、たまらない演出ですねw


あと、これ妄想みたいなもんですけど、「保元の乱」の時に頼盛を突き放したのは、万が一清盛が敗れたとしても、頼盛さえ生きていれば平家の血は絶えないという清盛の計算だったのかな、と考えてしまいました。

「おまえは父上と母上との間に生まれたたった一人の息子だから、一門には欠かせぬ」という言葉からは、そうとしか思えんのですが・・・・。

好意的解釈が過ぎるかな(笑)


■重盛の試練

今週。もう、重盛の試練の回でしたね。

「突然の召集に戸惑っている兵たちに何か言ってやってくださりませ」との要望に、何も言えないとか。

義兄・成親に「助けろよ!」と詰め寄られても、何も言えないとか。

「もはや相国様を京に呼ぶしかない」と、手腕に疑問を呈されたりとか。

摂関家や後白河法皇というバケモノたちに挟まれて、脂汗かきながら固まってしまうとか。

時忠は宗盛を焚き付け、成親は「小物め」と重盛を内心侮り、清盛は遠い福原から短い命令を送りつけてくるだけ。

ただでさえ真面目な重盛が、自分の力不足を痛感し続けた1話でした。

これで病になって、権大納言を辞めてしまうってことなのかな・・・・。



ところで、この一軒に関して、清盛は遠く福原から「兵を集めよ。ただし手は出すな」のように、重盛を操っておりましたね。

ワタクシ社会人になってから何年も経ちましたけど、こういう経験、何度も受けてきました。

上司からの短すぎるメッセージ(命令・支持)って、ホンマに部下を困惑させ、疲弊させるんだよねぇ・・・・。

名目だけの指導者や中間職(管理職でなくても)は、こういうことに神経をすり減らします。

せめて握っている情報を全て教えるとか、戦略の行き先だけでも教えるとか、責任だけは回避してあげるとか、そういうフォローがないと、不信感を与える結果になってしまうのですよね。

それができないと、第36話「巨人の影」の重盛みたいになってしまいます。

できないのなら、何も口を出しちゃダメ!


こういうと『敵を欺くには、まず味方から』と言うじゃない」っていう反論が返ってきたりするんですが、この言葉って孫子にも戦争論にもない、出典が何だか分からないテキトーな言葉なんです。

どこかの説明不足だったリーダーor参謀が自分を正当化するために言った。
そんな言葉だったんじゃないかと、ワタクシは疑っています。

だから、「敵を欺くには、まず味方から」なんて、そんなの世の中に通用しないと言い切っちゃいます(笑)


まぁ、でも現実としては赦せない上司ぶり(父親ぶり)ですけど、ドラマとして見るとハラハラドキドキして面白いねw(笑)

来週、重盛がキレちゃうみたいで、どのように事態が収拾されるのか、とても楽しみですなw