ピロリンが、「お金、ちょうだい」と言う。

 「いくら」と聞いたら
 「2,000円か、5,000円」
 幅が広いので、「何に使うの?」と聞いたら
 「眼科に行くので、幾らかかるかわからない」と言う。

 1万円札を出したら
 「そんなにいらない」

 なんと正直な娘だろう。やはりオイラの娘だ。

 「1万円ならいらない」
 「どうして?」
 「お金、持ってるから」
 「だったら、なぜ『お金、ちょうだい』なんて言ったの?」
 「一応、反応を見ようと思って」

 なんと、狡賢い。やはりオイラの娘だ。

 「じゃあ、クリスマスプレゼントに1万円ちょうだい」と言う。
 「それは母さんにもらえ」
 「母さんには借金があるからもらえない」
 「父さんより、ピロリンのほうがお金持ちだろう?」

 爺ちゃん・婆ちゃんから、数万円のクリスマスプレゼントをもらっているはずなんだから・・・。

 「私は貧乏なの。働きたくても働けないんだから」
 ピロリンの高校では、アルバイトは禁止されているらしい。

 デニーの学校でも禁止されていたが、デニーは無視してバイトしていたが・・・。

 働く場があるということは極上の幸せなのだと、ピロリンは言う。