くるま選びで大事なことは「ご縁」 | 自動車コラムニスト中込健太郎のブログ『込氏のブログ』

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自動車ライターですが、最近はノリで買った積載車が忙しく、レッカー・搬送、搬入搬出、自動車何でも屋みたいになっております。自動車絡みだったりじゃなかったりの日々を綴ります。

先日昔の友人から連絡がありました。

 

少し前に大事にしていたクルマを事故で潰してしまい、一時は直して乗り続けようとおおも思ったらしいのですが、

年式が古いこと、フレームがかなり派手にダメージを負っており費用的に現実的ではないと言うことで、同じ車種を買い替えたいと言うことでした。

 

車種は今人気の急上昇中、ネオクラシックなハッチバック車。

彼はそのクルマのメーカーに勤めていて、入社するやいなや、自分にとっての原点、魂の宿る相棒のような存在として購入したクルマ。彼がそのクルマを所有していることは、そのメーカーの魂が生きた形で残ること、と言ってもいいようなことだったので、それは私も大賛成しました。

 

しかし、目下価格はかなり高騰しており、ちょっと距離が少ないものなどを選ぶと、新車時のその車よりも高いのでは?という価格も珍しくないと言う状況。そんな中彼が見つけてきたのは、かなり過走行な個体。

 

そう言うクルマを見に行こうと思うがどう思うか?

中古車を見にいくとき注意するべきことはあるか?教えて欲しい。

そんな連絡でした。

 

もちろん、修復歴の話や店の人によく聞いた方がいいと言うこと。

同じ距離や条件でも使われ方や維持のされ方でだいぶ違うし、それが過走行であれば尚更と言うこともあります。

湯水のように整備もされながら走ってきていれば、むしろ過走行がいい場合もありますし、とかく高く売りにでがちな

距離うすだからと言って、安心はできません。

 

むしろ距離薄の古いくるま、単に塩漬けになるように「動かされなかっただけで長いこと車庫の中などに眠っていただけ」だと

内外装の劣化は少なくても、ゴム類の劣化、エンジンブロックの摺動部分の脂の周りが十分ではないために、エンジンをかけて程なくして水や油脂類が一気に漏れ出したり、金属部品が焼きつきを起こしたりすることもあります。

(この辺りのことは、私よりも優秀なエンジニアですから、その友人に関してはあまり心配していませんでしたが。)

 

でも一番大事なのは

ピンと来るかどうかだと思う、と伝えました。

ご縁というのか。クルマとの出会いはそういうものだと思うのです。

 

そもそも、相談をもらった段階で、彼は基本欲しいわけです。それを見にいくというのだから、見てもいない私が

「辞めておいた方がいい」とか全く筋違いな訳です。

 

あと、私もそうなのですが、そんな高いクルマ今は買えっこない!というような場合でさえ、ご縁のあるクルマというのは

買えてしまったりするものです。クルマの方からやってくるのです。時に「ちょっと今は遠慮したいな」と思ってもきてしまいます。クルマとはそういうものでは無いでしょうか。

 

もしピンときたのならできるだけ早く買った方がいい、とも言えるわけです。

中古車、二台と同じ車はありませんから。例えば仕様的には不満があっても時には手を打ってきた方が良い場合もあります。

完璧はありませんが、だからと言ってあながちとんでもないことでもないというのがクルマ選びというものではないでしょうか。

 

ですから、

安易に飛びつくべきではないが、

よく話を聞いて、試乗でもしてもしピンときたのなら、早めに手を打っても良いかも。

と伝えました。

 

土曜日の夜こんなやりとりをして、翌日曜日には「結局購入することにしました」という報告をくれました。

 

大事な車が壊れて寂しい気持ちを過ごしていた数ヶ月間。

なんだかやはりもう一度一緒にあのクルマと過ごしたいなと思って、

探したら気になる一台が出てきて、それを見に行こうと思うというその友人のこころを思うと、

前の晩、どんな気持ちだったのでしょうか。ソワソワしたかもしれません。楽しみだったに違いありません。

 

よくよくこれはちょっと・・・ということでもなければ

おそらくもう気持ちはある程度決まっていたのではないか。

そんなふうにも思うわけです。

 

クルマですからこれから納車前点検や整備もあるでしょう。

登録して納車されるまでも少し時間がかかるのではないでしょうか。

 

でも、クルマがなくてクルマを待つ時間。これは所有している時とはまた違った時間ですね。

 

そんな時間を待ちつつ、来たらまた楽しいカーライフを送ってくれたら良いなあと思いました。

 

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