オーテック「A25」を愛でる。 | 自動車コラムニスト中込健太郎のブログ『込氏のブログ』

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自動車ライターですが、最近はノリで買った積載車が忙しく、レッカー・搬送、搬入搬出、自動車何でも屋みたいになっております。自動車絡みだったりじゃなかったりの日々を綴ります。

オーテックジャパンは昨年25周年を迎えました。
この四半世紀の歴史の記念として、特別な一台が制作されました。
それがオーテックA25です。



オーテックジャパンでは10周年記念でA10を制作しています。
A10はラシーンをベースにしつつ、エンジンを縦に相当ないわゆるフロントミッドシップに搭載。
FR化して、独立したトランクをもつ、古いアルファロメオでも想起させるかのような
非常に手間の掛かった特製ボディを持つ一台でした。
このクルマは、職人の技術伝承の意味も込められており、
今回のA25もその同じ目的をもっているという。
残念なことに、A10は現状の法規に適応できず、ナンバーが取得できないのだそうで、
今回のA25には、「ナンバー取得」はかなり意識して作られたのだとか。

雑誌やネットで写真は見たことがあったものの、
今回このクローズドのイベントながら、展示されるということで、
正直、このクルマを拝めることが、大磯訪問の主要な目的だった。
そういっても過言ではございません。

■仕様を見るほどに、「そのメッセージは高らかにSKYLINEを歌う!!」

このA25の概要です。

●現行V36型スカイラインの350GT前期型(中古車!!)がベース
●フロントマスクは現行のスカイラインクーペ。
●テール周りはR34スカイラインのテールレンズを採用するに際し
 シームレスな印象のリデザイン。
●ミッションはベース車には設定のないZ34用6速MT。
●ホイールはZ34バージョンニスモ用ホイール。
●乗車定員はセパレート4シーター。フロントはバケットシート。
●助手席はバケットながら、おもてなシートコンセプトに外側に回転。
●仕様燃料はベース車のハイオク指定から「レギュラー仕様」
●カラーは『湘南ブラック』。オリジナルのダークブルーメタリック。
●念願のナンバー取得!!

この車の仕様を見ると、
どこにもスカイラインという文字は書かれていないが
音楽のように、歌のように、「スカイラインの響」はこうである!!
そういう歌を聴いているようだと思いました。

現行スカイラインは、セダンの立ち居地をよく自覚し、
しかし基本性能はあくまでも上質なドライバーズカー。
その意味ではまったく、衰えてもいないと私は思うのですが、
それでも、かつてのスカイラインではない!!そういう声が聞かれるのも事実です。

一方で、ミスタースカイラインといわれた櫻井眞一郎氏が日産自動車特販事業部から
起こしたオーテックジャパンの四半世紀記念、古のスカイラインを、
「昔は良かった」というのではなく、今表現するならば・・・そんな息吹をかんじるのです。

ベーとヴェンの第九の合唱の始まりはシラーの詩にこうつなげます。
「友よその調べではない。もっと喜びにみちた歌を歌おうではないか」

その歌が「スカイライン」というこの国きっての名曲だったという感じ。
このクルマにはかんじるのです。





↓ティアナアクシスでちょっとだけドア連動で外側に迎えに行くおもてなシート
そのコンセプトはバケットシートのこのクルマでも。
このクルマは非連動で手動回転式ですが。
しかし、一見シュールなようで案外需要はありそうとのこと。
バケットシートにしたいが家族に乗りにくいと不評でかなわず。
そういう方が(オーテックユーザーでは特に)無視できない数いらっしゃる
感触は得られたとの。さすがですね。確かに乗りやすかった。








6気筒×6速MTのセダン・・・車好きのファミリーカー選びにおいて
このスペックだけでも甘美な響きを持っているといえるでしょう。
細かいところを見ればタイヤはオーバースペックだろう・・・とか
ベース車ATでブレーキ踏まないとエンジン始動できないシステムでかつ、
実態はMTなのでクラッチ踏んでないとエンジンかけられない。
安全だけど、ちょっと特殊な仕様のままになっている。
など市販するならまだ煮詰めるべきところはあるのでしょう。

そして、個人的に、勝手に、オーテックジャパンはもっと「湘南車メーカー」
というカラーを出してもいいのではないかと思っています。
アルファロメオはミラノの誇りです。BMWは黒い森を駆け抜けるバイエルンの風なのです。
そうであるように、オーテック車は湘南のクルマ、だと思うのです。
「里帰りミーティング」を開催して、全国から毎年「確実に帰って来る」オーナーの皆様の
昨日の集合ひとつ見てもそれは疑う余地のないことなのではないか。
その意味でも、スカイラインの系譜を「湘南ブラック」という名前のカラーでまとったセダン。
まさに真冬の湘南の海の色ではありませんか。
「冬だって波は呼んでいる」そうのたまう、海も我が家の一部。
そんなサーファーの事情を色にしたようではありませんか。
そんなところも湘南ブランドな感じで個人的におおいに賛同したい!!

そういうクルマです。
レギュラーガス仕様に変更されているのも、
この夢は「覚めても終わらないんだよ」そういっているようで
妙にテンションが上がります。
平たく言っても、技術者の良心をしっかり反映した
オーテックジャパンらしい一台だと思いました。

こういうクルマに出会えるから、秋の大磯、AOG里帰りミーティング。
毎年楽しみで仕方ないのです。


この本を探して読みましょう。
私は持ってますがね。
サインもらってくるんだった・・・