「トップオブ赤坂」
私の一組前で最後の客人が入って行きました。
明日が最終営業の、赤坂プリンスホテル頂のバー「トップオブアカサカ」は本日23時をもって閉店します。
一杯にありつくこと、あいならず。震災に節電で暗がりの東京、眼下の夜景が一層寂しく、この残念、筆舌に尽くすことはできません。
このホテルの栄華、赤坂という響きがもっと響かしいころ私は幼少で、さして思い出はありません。
しかしだからこそののこる心なのでしょう。
今、日本でずいぶん長いこと経験したことのない、暗く淋しい雰囲気で充満しているかのようです。
言葉にならないつらい思いをされた方もあるでしょう。
本当は今こそ、過ぎるほどに輝いていた赤坂こそ、再度思い出していいのではないか、やり過ごした「往年」という電車の後ろ姿を目で追いかけつつ、今、霞のような意気込みがわいてくる実感も、一方でかみしめているようです。
私は入店を逃したのではなく、縁なき楼閣の永久の閉扉を見送った唯一にして最初の証人になったのだ。
去り行くものを、ファッショで懐かしむよりは、故無くも、素敵な出会いに期待しよう。
悔いを隠すように家路に就くことにいたします。
さようなら赤坂…



