「長寿丸が家族になったあの日」①

 

 

〝長寿丸〟という名前は通称です。

 

 

正式には、

〝ゴメス長寿丸〟といいます。

 

 

歴史の教科書に出てくる

 

 

〝ジョン万次郎〟みたいですが

私たち夫婦の趣味です。

 

 

中南米、

特にスペインが好きな夫と

 

 

時代劇が好きな私と♡

 

 

名前の候補には〝竹千代丸〟

なんていうのもありましたが

流石に却下され、

 

 

絞りに絞って

結局どうしても1つを選べず

ドッキングさせた名前です。

 

 

長すぎて普段は「ゴメス」

 

 

SNS上では忘れないよう「長寿丸」

なんです(笑)

 

 

 

今、私が「犬のごはんやおやつを作っています」

というと

 

 

「幸せなワンちゃんね」

「大事にされてるのね〜」

 

 

 

と言ってくださる方がいます。

 

 

でもね

 

 

「長寿丸なんて飼えない!!」

 

 

「こんな犬、もういらない!」

 

 

 

そう思ったことがあるんです。

 

 

 

いわゆる飼育放棄、

ネグレクトをしそうになったことが。

 

 

 

茨城の実家へ連れて行き

実家なり、欲しい人が飼ってくれたら

いいわ。

 

 

 

そう思って手放そうと

悩んだことがあるのです。

 

 

これ今までブログには

書けなかったし

書こうとも思いませんでした。

 

 

ブラックだし。

 

 

 

暴れん坊で困るとかは言えても

でもそんなもんじゃなかったのです

 長寿丸は。

 

 

 

わが家に来てからおとなしかったのは

最初の1週間くらい。

 

 

 

犬というより

っまるで野獣。

 

 

 

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実家でも子犬をもらって育てたり

迷い犬、捨てられた犬など

色々な犬を飼っていたけど

 

 

血統書のある犬なのに

 

 

自分達だけで飼うのは初めてとはいえ

 

 

こんなに暴れ、吠え、破壊する犬を

見てショックでしたー。

 

 

獣医さんに何度も駆け込み

「犬のきもち」の相談室に電話し、

 

 

個人や自治体のしつけ教室にも通い、

『柴犬の飼い方』なる本も何冊も読み

 

 

教えを請い、学びました。

 

 

されど叶わず。

 

 

木製のサークルはかじり壊し、

 

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家具もそう、ボロボロにし、

 

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ケージに入れれば隙間から

歯をむき出して、

 

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体当たりで叩き壊そうとする。

 

 

タイミングがわからず

噛まれたことは何度かわからない。

 

 

夜、ケージに入れると

鳴き止まず

 

 

なぜにこんなに荒ぶるのか

全くわからず。

 

 

毎夜寝不足なのに

昼も眠れなくて

 

 

ご近所迷惑を考え、

神経がささくれていきました。

 

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寝るときにアイマスクと耳栓が

欠かせなかった。

 

 

 

もういらない!

こんな犬。

 

 

私には無理。

もうやだ、いらないよ。

 

 

これは犬じゃない、悪魔か怪獣だって。

 

 

今考えたらとても正気じゃないし

最低なことを口にしていますが

あの頃は追い詰められてました。

 

 

なのに

その気持ちを吐き出す場所が

なかったのです。

隠してたから。

 

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長寿丸が夜中まで

ウォンウォン吠えているのに

 

 

平気で眠れる夫の神経にも

腹が立って、

夫婦喧嘩も増えました。

 

 

 何もかも私に押し付けて!!

と。

 

 

 

これも今にして思えば

八つ当たり以外の何物でもないのですが。

 

 

 

 

この頃

サークル内に敷いてるのが新聞なのは

 

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おしっこシートだとビリビリにした後

ポリマーを食べちゃうからですプンプン

 

 

 

新聞だとまずいのか?破くだけだったので。

 

 

 

この音もうるさくてね😡

 

 

それでも

実家に預けなかったのは

かかりつけの獣医、田中先生のおかげです。

 

 

 

先生のなにげない言葉で

わたしは暗い沼から救ってもらいました。

 

 

 

ある日、

フィラリアの薬を出してもらうために

行った時

 

 

診察室に呼ばれました。

 

 

お薬をもらうだけなのになぜ?

 

 

私が入ると、長寿丸を抱きかかえて

先生は床に座ってました。

 

 

「この子は他の子より元気がいいだけ、

病気なんかじゃないよ。

こうしてね、後ろから抱きかかえて

お腹を上にさせるの。

この時間を少しづつ増やしてみて。

まあなかなか難しいけどね。

(暴れるのは)そういつまでも

続かないから、大丈夫だから」

 

 

と笑って言ってくれたのです。

 

 

 

そしてようやく気づいたのです、

犬にだって個性?がある、

 

 

同じ犬種でも

1匹1匹性格が違うという

当たり前のことに。

 

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ドラマやCMで見るような

扱いやすい犬を勝手に想定して

 

 

それに「当てはまらない」長寿丸を

「違う!違う!こんなはずない。。」と

 

 

思うようにいかないことに

イライラしていたことに。

 

 

「いつまでも続かないから大丈夫」

 

 

先生に言われたことを信じて

 

「今だけ今だけ」と思うと

前ほど腹も立たず、

 

 

 

逆に言葉で言えない分

犬だってつらいかもなぁと

冷静になることができるようになりました。

 

 

 

ある日のこと。

 

足元に来て親指をペロリとなめた後、

 

 

足の甲に顎を乗せ、

ゴロリと横になると

スースー眠り出した長寿丸を見て

 

 

「ああ(私を)認めてくれたのかな」

と思えたこの時から家族になれたのかなと

思っています。

 

 

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今では「柴犬なのに珍しい!」

散歩の時もご近所さんにも驚かれるほど、

 

ほとんど吠えない

吠えられても吠え返さない

落ち着いた犬になりましたハート

 

 

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現在の長寿丸5歳

 

 

 

#らしく生きる2020

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