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後藤博亮のBLOG

人と出会って、音を奏でて

さてさて、後編です。いとをかし、チェコ語の世界①レッスン受けてみよう前編の続きになります。



☆チェコの先生が言うナンバー1単語

『ちょっとだけ』
Trochu とぅろふ



『ほんのちょっと』

Trošičku とぅろしちゅく


チェコ語では〜“ちゅか”を付けると、小さく、可愛くする意味になります。


たとえば最近ヴィオラの同僚にハナ(Hana)という名前の子どもが生まれたのですが、日本的に可愛く言おうとするとハナちゃん。 チェコ語だとちっちゃいのでHanička(はにちゅか)になります。


☆もっと何かしら表現がほしいとき。

『もっと』

víc ゔぃーつ!




『ちょっと音量上げて』は


trochu víc zvuku!! 

とぅろふ ゔぃーつ ずゔっく!

このzvukっていうのは音です。

(細かいこと書くとVícのあとは2格になるのでzvukの後ろにuをつけます。)







反対は

『ちいさく』

“Míň” みーにゅ

です。

最初、『静かに!』というニュアンスで聞いた時は3回連続で言われたので、『ミーンミーンミーン!』とセミの鳴き声にしか聞こえなかったのですが、もう猫の声くらいには聴こえるようになりました🐈。

自分のミハリツァ先生は、“Méně”メーニェと言われます🐑。


☆音楽の流れを遅くしたいとき。


リタルダンド(rit.)は
zpomalení すぽまれにーと言います。マロニーみたいで可愛い。


よく使うのは

『ちょっと待って』
Počkej chvíli ぽちけぃ ふびーり

この“ちょっと”は時間的感覚なので、トロフではなく、フヴィーリを使います。


ちなみにお隣スロヴァキア語で


Čo to máte (ちょとまーて)は、
『何をお持ちですか?』という意味。





それではヴァイオリン編、スタート。




☆チェコのヴァイオリン🎻の先生がかなりの確率で仰ること。

『弓(の長さ)を節約して』

Šetřit smyčec しぇとしっと すみちぇつ

↑平仮名で聞こえるママ書いてます。


『Šetřit』は実際初めて聞いた友達に、どうやって聞こえる?と聞いたところ、


『え、雑音にしか聞こえないよ』と友人。




…うん。DA・YO・NE (古い


さて、気を取り直して


これはモーツァルトやバッハ弾いててよく言われるやつ。 


『不必要に弓を(弦から)離さないで』

Zbytečně nezvedat smyčec 
ずびてちゅにぇ ねずゔぇだっと すみちぇつ

…よーし、ここらへんからハリー◯ッターの呪文にしか聞こえないぞ、、


『弦とのコンタクト保って』

Drzět kontakt se strnou 

どぅるじぇっと・コンタクト・せ・すとぅるのう。


うん、もう何のこっちゃじゃのう(備後で話しとるのう。)


☆弓の位置

 『弓の元のほう』


Žabka じゃぷか


チェコ語の“ぶ”の発音は、どーしても"ぷ"に聴こえます。なのでじゃぶか、というよりじゃぷかです。


この語源はカエルカエル、じゃーばŽába。
さっきの小さくなるkaを足すと、
ちっこいカエルŽabkaになります。




『先弓、上げ弓、トップ』

Špička しゅぴちゅか


ちなみに、『弓の先の方で弾いて』という場合はNa špičce『な・しゅぴちゅつぇ』になりますが、はじめてこれを聞いた時は『な、スピッツで?』にしか聞こえませんでした。


『真ん中の弓』

Střed ストゥシェド

水曜日はStředaストゥシェダ。

一週間の真ん中の日ってシンプルに考えなのです。


ちなみにアップボウ(上げ弓)は単純によくこう表現します☞☞☞

Nahoru なほる

上に(動く)、という意味です。



『ダウンボウ(下げ弓)』

Dolů どるー


この上についてる『゜』は、伸ばす意味です。なのでエレベーターでホテルで下に行きたい時は"どるー"、とだるーい感じで伸ばしてください。


 『下げ弓から始めましょう』


Začneme dolů
ざちゅねめ どるー


この『ざちゅねめ』は、レッスンをはじめましょう、と言うときにも使います。たとえばシンフォニーの冒頭は『ざちゃーてくZAČ.』といいます。ドイツ語のアインザッツに似ているような。



ここからは思いつくままに羅列して、時間のある時取り上げようと思います。

あとはレッスンを実際受けてみたり、聴講で確認を!

(発音はGoogle大先生に任せましょう。彼の訳はわりと面白いものが出てきますが、発音は勉強になります)

さて、レッスンでヴァイオリンの音の色が変わっていきますよ。


Uvolnit prst 指を楽にして
Kvalita zvuku 音のクオリティ(を意識して)
Zvukově lepší 音が良くなる
Konkrétní zvuk 具体的な音
Víc zřetelněji もっとはっきりと(明確な音)
vyslovit 発音して
Vydržet (弓を)保って、我慢して
Netlačit prst 指を押し付けないで
Vibruj ヴィヴラートかけて(命令形)
Táhnout(Tah) 弾く(弓の動き)
dohrát 弾き切ってね


まだまだありますよー!




strunný nástroj 弦楽器
hmatník 指板
kobylka 駒
Flažoletto フラジオレット、ハーモニクス
Jiným prstem 替え指
Smykový cvik 弓の練習
Rytmické cvičení リズム練習
Způsob 方法
Poloha ポロハ ポジジョン
První poloha 第一ポジション
Z první polohy do sedmé polohy 第一ポジションから第7ポジションまで

Zapěsti 手首 
Loket (S loktem) ひじ (ひじを使って)
rameno 肩 
ruka 手、腕
Celou rukou 全部の腕を使って
Čtvrtí prst na druhé poloze 第二ポジションの4の指
Výměna polohy ポジション移動

☆弓の使い方

Rozšířít smyčec 弓の大きさを拡げていく
Výměna strunny 移弦
zadělený smyčce 弓の配分 
Horní polovina 上半分
Dolní polovina 下半分
Třetina smyčce 3分の1の弓
Kolem středu smyčce (弓の)真ん中あたりで
Rozdělení smyk 弓分けて(一弓で弾くところをダウンとアップに)
Smyk ボーイング
Házený (Sautillé) ソティエで (弦の上で弓飛ばす)
Rikoše (Ricochet) リコシェで(弦の上で弓落とす)
Saltando サルタンド
Oddělovaně (détaché) デタッシェで
Vázaně (Legato) 音をスラーで繋げる
u kobylky 駒の近くで
nad hmatníkem 指板の上で



こんなところでしょうか。音楽用語もたくさんあるのですが、ニュアンスで言い方は変わるので、ヴァイオリンの専門的なレッスンを通訳する時はわかりやすく、迅速に伝えることを心がけています。



果たして需要はあるのだろうか、、と思いつつも、何かの参考になれば幸いですニコニコ

弦楽器指導者協会(JASTA)主催で9月29日名古屋(長円寺会館2F)と、10月1日東京(会場:巣鴨PITINAホール)もあります。
聴講可能です!


皆さんもレッスンを受けるとき、チェコ語で話してみては?

それでは、なすふれだのう。Na shledanou
(さようなら)



今できることは、感謝しかない。


私の大学の門下のヴァイオリンの師匠は2人いらっしゃいますが、もうこの世にいません。

帰る場所がなくなったような、そんな気持ち。受け入れるのに時間がかかったけど、先生たちはもういません。ずっと私の心の中にいます。

そちらから見ててくださいよ、親愛なる先生方。
先生たちの音楽への愛、そして情熱を忘れたことはありません。先生たちが亡くなる前に話してくださったこと、それはいつも音楽の素晴らしさを教えることが大好きな気持ちでした。『どうやったら生徒たちにこの楽しさが伝わるか』と真剣に悩む姿でした。

お別れのお知らせを聞いた時、自分は勉強と仕事をしていた。お葬式にも出られなかった。何もできなかった。

けど、今は違う。


ミハリツァ先生が『先生たちは生まれ変わって(輪廻して)、君の音に宿る』って仰ってくださったとき少し救われた気がした。心が軽くなった。


でも、いま目の前にいる自分の先生の考えを大事にしようとも思った。

伝えてくださったこと。それは音楽への情熱。それを新たな教えとして、たくさんの人に知ってもらいたい、と原点に戻って。


自分と2世代も離れた巨匠を日本にお連れすることはいつも不安でしかないけれど、ほんの少しの勇気に変えて母校に帰ります!


『上から受けた恩は下に返す!この世の中はそうやって廻ってる!』と昔ヤンキーみたいな先輩に教えてもらいました。


先生たちがいらしたから、いまここに自分がいます。お世話になりすぎて、少しでも恩返しができれば(なんておこがましいし図々しいのはわかってますが)、まぁいいや、勝手に恩返しします。


そしてまだ見ぬ後輩たち、会うのが楽しみ。


(たぶん自分の意見なんて面と向かって言えないし先に言っておこう)

これからしんどい時が訪れても、音楽の秘密を知ったり、魅力あるものに触れたり、本物の一生懸命さのいろんなやり方、人生の楽しみ方を知った時、

音楽って自然に生き物みたいに動き出して、ワクワクして、絶対楽しいパートナーなってくれるから。





10月4日、音楽の世界の秘密を届けにゆきます。

ヴァイオリン以外の楽器の方こそ是非。
チェコでよく言われてるのはミハリツァ先生は、音楽の哲学者、辞書みたいな人。


彼の面白い考え方に触れたら音楽の楽しみ方や見方が180度変わるかもしれませんよ。




通訳はまじめに、それでいて面白く訳せるように努力します。


先生の名言は星の数ほどあるけど、、その中のチラ見せは過去のブログへGO。


詳細はこちら。(プロフィールも載せていただいてありがとうございます)

さてそろそろ、ウィーン空港から先生と出発します!とりあえずいつもの9000キロ、先生と熱い話しながら行ってみよう!(たぶん10時間なんてすぐ)(喉枯れないようにしよう)


着いた日は原宿駅すぐのところでチェコフェスがやってるみたいですね。時差ボケ対策にちょっと顔を出そうかな、、??




今回の日本滞在も楽しみます🇯🇵



クラシックの世界でよく使われる言葉、『天才』、『鬼才』、(ファジル・サイ)、『俊才』、『逸材』、『神童』。


最近YouTubeなどで再生回数が10万単位で増加、所謂"バズっている"状態になっているのがオーストラリア🇦🇺出身のこの子、

Christian Liクリスティアン・リー。


なんと6歳でこの完成度、、


10歳になった昨年にメニューイン・コンクールジュニア部門で1位、世界で引っ張りだこです。

今日私の目に飛び込んできたのはこの動画。





まだ183回再生(9月17日現在)ですが、Facebookではすでに300件の称賛コメントが。


隣でヴィオラを弾いているのはブランデンブルク交響楽団・オーストラリア🇦🇺のコンサートマスター。




このクリスティアンの才能の誰よりも恐ろしいところは、テクニックももちろんそうですが、今年11歳で音楽的にも熟しているところと、周りを見る人間的余裕があるところ。


インタビュー映像もありますが、11歳なのに自分の意見をはっきり言えるところがこれまた凄いです。それでいて今のところ変なことを言ってはいません。言わされてる感じもしないです。


こういう子を見て、『11歳で完成して、これからどうなるんだ』というネガティブな意見は、天才が出て来た時には付き物だと思います。

しかし、天才には努力と友情、勝利が付き物でもあります。これからたくさんの出会いがあり、彼を強くしてくれるでしょう。

ところで私は『天才』という言葉にコンプレックスを持っている時期がありました。

プラハやブルノに来た時、周りは全員天才に見えました。この子のように若い頃から完成している"Prodigy"ばかりだったからです。



ヨーロッパは巨大な大陸で、それはそれはインクレディブルなプロディジーが周りを見れば見渡すほどたくさんいるわけですよ。



私の住んでいるチェコの音楽院、音楽大学では、入試のことを“Talentovka”タレントフカっていいます。タレント=才能、それを見る試験という意味です。


先程も書いた"Prodigy プロディジー"は、天才、鬼才の意味。

 しかしこれは『秀才』のように、訓練を経て周りの良い影響を受けた人にも当てはまる意味でもあります。

しっかり音楽を謙虚に作っていれば、認めてもらえます。



昔『天才』ともてはやされ注目を浴びていた人もたゆまぬ努力の先に、音楽のところ以外でも幸せと自分の場所を見つけて、生活する手段として仕事を見つけます。例えばオーケストラに入って活動したり、室内楽のコンサートで世界を飛び回ったり、ソリスト以外での活動ができます。



それは一昔前よりもインターネットで情報がすぐ手に入る時代、便利になったと思います。こうやって一流の演奏が自宅ですぐ聴けますしね。



ただ、これからの音楽家に大事になってくるのは語学能力と品格、礼儀正しさ、本物の友人の多さだと思います。

彼がそれを見つけた時、とっても良い時代を築けるかとウインク


テクニックの演奏解釈もちょっとずつ新しくて面白い、、いろいろ演奏者同士でバトルして相談して決めたんでしょうね、見入っちゃいますね。

ちなみに2018年のメニューインコンクール・ジュニア部門で同率一位だった女の子、12歳のシンガポール🇸🇬出身のChloe Chuaクロエ・チュアさんの演奏は100万回以上再生されてます。

女の子のほうがやはり人間的には早熟ですよね。しかしこれはもう音色も豊かで素晴らしい。12歳ってどういうことー??

プロディジーはチェコ語でしばしば『奇跡』という意味の”Zázrak”(ザーズラック)とも訳すことがあります。



何にしろどんな音楽を彼らが届けてくれるのか、そしてこれからどうなるのか、本当に楽しみですね。ウインク