大学進学に向けての三者面談って? | 舌がんサバイバーのなんでもありあり

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高校の三者面談の賢い利用法!?

 

夏休み前には、多くの高校で生徒と保護者、そして担任の三者面談が行われると思います。

保護者がシングルの方や共働きの場合は、平日の昼間に時間を割いて面談に行くのは大変だと思います。そして、担任もいろいろ忙しい中、三者面談を行う意義があるのでしょうか?

 

まず、大学を受験する生徒が多い公立高校での、三者面談の主な内容や問題点について学年別にまとめてみます。私立の高校では、もっと特色ある面談を取り入れている学校もあるかもしれませんが、基本的なところは共通だと思います。

(公立高校での学習面以外の指導については5月24日、学習面の指導については5月25日のブログに詳しく書いてあります。)

 

1年生 

①生活 高校に入学して生徒を取り巻く環境が変わった中で、担任と保護者が情報交換を行い、問題点がないかを探る。問題点がある場合は、今後の解決方法について、対応策を協議する。この時期では、問題が顕在化することは少なく、問題があったとしても担任が生徒や家庭のことをよくわからない状況で話し合うことになるため、解決につなげる話し合いにはなりにくい。

②学習・進路 中間テストや実力テスト(業者テスト)の成績をもとに、学習面でのアドバイスを伝える。また、高校卒業後の進路について、本人の希望と、それに対する保護者の意見を確認し、アドバイスを伝える。また、進路希望に関連して、2年生からの選択科目についての確認を行う。この時期では、通知表が出ていないため学習面についての資料が少なく、卒業後の進路については生徒や保護者にとっては漠然としすぎていて、意味のあるアドバイスを伝えるのは困難である。

③その他 必要に応じて、部活動についての情報交換を行う。また、保護者の学校への質問や意見を聞き、その場で応答できる内容については担任から説明し、担任レベルで応答できない内容については、後日管理職等から応答するような対応を取る。この段階で出てくる質問は、校則など形式的・表面的なことが多いため、本質的なことにはつながらないことが多い。また、この時期だと保護者は学校への遠慮もあり、意見が出ないことが多い。

 

2年生

①生活 高校生活に慣れて来た状況の中で、担任と保護者が情報交換を行う。2年生になると成績などに起因して生活面に問題が生じることも多く、そのような場合は対応策に困ることが多く、三者面談では解決には至らないことが多い。

②学習・進路 1年生の成績や2年生になってからの中間テストや実力テスト(業者テスト)の成績をもとに、学習面でのアドバイスを伝えるが、成績が振るわない場合は「勉強がんばって」と励ますだけになりがちである。また、高校卒業後の進路について、本人の希望と、それに対する保護者の意見を確認し、アドバイスを伝える。本人の希望と保護者の意見が乖離していたり、生徒の希望が高すぎたり、生徒が進路について無気力になっていたり、一筋縄には解決出来ない内容が多いのが現状である。また、進路や受験科目に関連して、3年生での選択科目についての確認を行う。しかし、大学の学部・学科や大学受験が複雑化している現状では、的確なアドバイスを与えるのは多くの担任に取って困難である。

③その他 必要に応じて、部活動や行事での活動についての情報交換を行う。しかし、多くの生徒がいる中、授業以外での生徒の活動について把握している担任は少ない。また、保護者の学校への意見や要望を聞くが、この頃になると質問しても無駄だと思う保護者もいて意味がないこともある。また、逆に学校に不満を抱えクレームをつける保護者もいるため、担任があえてこの話題を避ける場合もある。

 

3年生

①生活 この時期になると生活に問題がなく、生活面について話す必要がほとんどない生徒の場合と、逆に問題がありすぎて三者面談では扱えない場合に二分されてしまうことが多い。

②学習・進路 共通テスト受験の有無、国公立大学を目指すのか、私立大オンリーにするかなど、今後の受験計画について、生徒の希望と親の意見を聞き、場合によってはアドバイスを与えながら調整を行う。しかし、この時期でも多くの生徒は受験計画に見通しが立たず、保護者も受験についての情報不足からくる不安ばかりで、取りあえずの方向性を決めるだけで精一杯になることが多い。また、同じ大学を受験するにも、一般受験の他に学校推薦型・総合型選抜があったり、一般受験でもA方式・B方式と複数の受験方法があったり、複雑化多様化している受験についての的確なアドバイスは、担任にとって不可能なのが現実である。そのため、「生徒とご家庭できちんと情報収集して、よく相談しながら受験に向けて頑張ってください」レベルの対応になることが多いのが現実である。

③その他 必要に応じて奨学金など経済面での相談に乗る。しかし、これも担任レベルでは全貌がわかりにくく、奨学金対応の係をしている先生に相談した方が確実なことが多い。また、保護者の学校への意見や要望を聞くが、2年生のところで述べた傾向が強くなるだけである。

 

さて、私の経験からまとめてみましたが、すでに三者面談を経験した保護者の方々には、「あるある」と思ってもらえることもあったのではないでしょうか。

 

ということで、どの学年も時間が限られた三者面談を同じ時期に全員の生徒にやることの意義はあまりないのが現状だと思います。もしやるのであれば、1年生で前期もしくは1学期の成績が出た後の秋頃に行い、後は夏休みの受験勉強の成果が見えてくる3年生の9月頃に行えば十分と考えます。

そして、成績が低下した、遅刻・欠席が増えたなど問題が生じた生徒について家庭と情報交換を行う必要が生じたとき行うとか、生徒や保護者の方からどうしても相談したいことがある時に行うとか、臨機応変に行う方がよいと思いますが、一斉指導一律対応がモットーの公教育では難しいのかもしれません。

 

では、三者面談をどのように利用すればよいのでしょうか?

かなり、高度なコミュニケーションテクニックが必要になるかもしれませんが、主なポイントをあげておきます。

 

①担任に保護者の顔と名前を覚えてもらえるような言動をとる。

学校の先生といっても、担任は所詮人間です。生徒に何かあったとき、生徒が困っているときなど保護者に連絡する必要が生じたときに、よく知らない保護者よりは、ある程度知っている保護者の法がリラックスして話しやすいものです。その方が、緊張して保護者に対応するよりも、いろいろな意味で良い対応、保護者にとって得な対応ができるものです。だから、三者面談の機会を利用して、人間関係を深めておくとよいということです。多くの生徒の名前を覚えなければならない担任からすれば保護者の下の名前までは覚えにくいので、「○○さんの保護者」と生徒と結びつけて覚えてもらうだけで充分です。覚えてもらうためには、「先生、ネコが好きですか? ウチには○○というネコがいてカワイイんですよ~」なんて、通常は三者面談でしないような話題を持ち出したり、チョット目立つような服装で出かけて、そのことを話題にしたり、いろいろな工夫が考えられます。ただし、公立高校の先生は公務員で関係者から金品を受け取ることは禁止されているため、プレゼントを渡すようなことはやめましょう。

 

②たとえ担任や学校への意見や不満があっても、その場では伝えない。

前に述べた①と関わりますが、この保護者はクレーマーだなんて思われてしまうと、用心して本当のことを伝えることを控え、差し障りのない対応を取りがちになります。決して担任や学校に対する意見や不満をがまんするべきだという意味ではなく、そのような不満は管理職やもっと上の教育委員会に匿名で伝えるべきだということです。正当な意見だとしても、担任はそれを伝えられると困ってしまい、その後の担任とのコミュニケーションで損をすることが多いのが現状なのです。ある意味、学校といういうところは、保護者にとっては子どもを人質に取られているような特殊な場所だということです。

 

③生徒のことをどう思っているのかのホンネを引き出す

保護者としては、生徒が家で見せている顔はわかっても、学校で周囲に見せている顔はわからないものです。高校生ぐらいに成長すると、生徒の家の顔と学校の顔が異なる場合が、良い意味でも悪い意味でもあります。良い意味というのは、「家ではほとんどしゃべらないけど学校では良くしゃべって人気者である」といういうような例です。悪い意味というのは、その逆で「家では明るく振る舞っているのに学校では暗い」とうような例です。子どもにいくら問い詰めたところでわかるものではなく、それがわかるのが担任なのです。だから、三者面談はその情報を知るための貴重な場なのですが、前述の①や②をクリアしないと、担任は生徒について表面的でうわべだけの情報しか伝えてくれません。担任を安心させて、「先生、ぶっちゃけウチの子はどうですか?」と聞いて、ホンネを聞き出せれば儲けものです。ただし、先ほどの良い意味での場合は、「え~、家では暗いのに学校では明るいんだ~ヨカッタ」と保護者が喜ぶから、その後に子どもとの関係が悪くなることはないでしょう。しかし、逆の場合は子どもからすれば「なんでそんなことを担任に言わせるんだよ~」と思われ、関係が悪くなるかもしれませんが、保護者として現状を知っておく必要はあると思います。

 

④進路のことなど担任が返答に困るようなことは質問しない

その学校で何年も進路指導をしているような先生が担任で、受験に詳しいようでしたら知りたいことを聞いてみてもよいでしょう。しかし、そうでない場合は、表面的な応答が続いて時間の無駄につなるので、やめた方がいいです。進路について知りたいことは「○○のことは、どの先生に相談すればよいでしょうか?」というように、担任が知ったかぶりをしないで済むような質問のしかたが得策です。また、ある程度の進学校であれば、生徒どうしの情報網を活用して役立つ情報を得るように子どもに仕向けた方がいいかも知れません。学校に期待せずに塾や予備校から情報を得ることも考えられますが、その場合は、塾や予備校の合格実績をアップするための情報が優先されるので注意が必要です。(→合格が確実な大学を受験することを勧められるというようなことです)

 

⑥大きな問題がある場合は別の機会や別の担当者と話し合おうようにしてもらう。

生徒の成績が急に下がったとか、欠席が増えたとか、三者面談の限られた時間で対応しにくいようなことは、その場では突っ込んだことは話さず、別の機会に学年主任なども交えて相談する機会を設けてもらうよう依頼したり、スクールカウンセラーのような専門職に対応してもらうことを確認したりするとよいです。そして、いろいろな人の意見を聞きながらじっくりと相談した方が、より良い解決につながる可能性が増します。

 

長くなりましたが、公立高校の現状を交え、私案をまとめてみました。結論としては、三者面談にあまり多くを期待しない方がよいということです。わざわざ三者面談に行くのだから得るものが大きいだろうと思うと、落胆する可能性も大きいかもしれません。担任と仲良くなって人間関係を広げようぐらいが、ちょうどいいということです。

 

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