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周囲の環境を活用することがポイントです
一昨日(5月25日)のブログでは、公立高校では、先生方の受験指導に期待できないということを述べました。でも、進学校といわれる公立高校から、毎年それなりの人数の生徒が難関大学やそれに次ぐレベルの大学に合格しているのが現状です。どうしてでしょうか?
公立高校から難関大学に合格できる生徒は、地頭がいいのです。多くの場合、高校の授業のおかげではなく、もともと本人が持っている読解力がとても高いのです。(5月13日のブログ参照)
そのような生徒は、学校の授業中に教科書を読めば、たとえ授業を聞いていなくとも自分で理解できてしまいます。だから、高校1年生や2年生のときに行事や部活動に注力しながらも、予備校や先輩から受験の情報を仕入れて受験の基本レベルを押さえておき、3年生になってから予備校を利用して本格的に受験のトレーニングをすれば、かなりのレベルの大学に受かってしまいます。生徒によっては、予備校に行かずに、受験参考書(問題集)や赤本(過去問)を使っての自学自習で合格する場合もあります。
進学校にはそのようなスゴい生徒がいるわけですから、そのような生徒を活用しないのはもったいないです。そのレベルまでできない生徒でも決してあきらめずに、休み時間や放課後を利用してスゴい生徒に教えてもらえばいいのです。わからないことを先生に質問するよりも、生徒どうしの方が質問もしやすいでしょうし、先生よりわかりやすく教えてもらえる可能性が大きいです。実は、これが進学校といわれる高校に行く大きなメリットです。
以前(5月10日)のブログに書いたように、『学び合い』を導入したアクティブ・ラーニングの授業であれば、授業中にも教えてもらうことができて、より効率がよくなります。このような学習方法は、一見、教える側の生徒が損をするように思えるかもしれませんが、実は、他者に教えることが自分が理解を深める上で最良の勉強方法なのです。
なんとなくわかっているレベルでは、他者に説明しようとしてもできないことが多いです。説明を試みて、説明できるようになったときに深い理解になるわけです。だから、教える方にとっても実があり、win-winの関係になります。教えてもらった生徒は「わかるようになってよかった!」。そして、教えた生徒は相手から「教えてくれてありがとう!」なんて感謝してもらい、お互いにハッピーになること間違いなしです。わかるようになった生徒は、今度は別の生徒に教えてあげれば、自分の理解がさらに深まり、理解の連鎖が広がっていくのです。
こんなふうにみんなで協力して勉強を進めれば、偏差値が上がるだけでなくコミュニケーション力や表現力もアップすることが確実ですし、人間関係も広がり、一石二鳥にも三鳥にもなります。
実際、私が過去に指導した生徒には、次のような生徒がいました。
その生徒は、ある科目が得意だったので、周囲の生徒から質問され、教えてあげることによって感謝される機会が多かったのです。すると、きちんと教えられるようになりたいという動機から、その科目をどんどん勉強するとともに、教えることによって理解を深め、やがてその科目で学年トップの成績になりました。そのことによって自信がつき、教わることの有効性もわかったため、自分が不得意な科目は他の得意な生徒に教えてもらい、総合的な実力を伸ばして国立大学医学科に合格しました。
周囲にできる生徒がいる学校の環境を上手に活用して、よい結果につながった事例です。
まずは、自分が教えてもらうことを恥ずかしいと思わずに、わかるレベルの生徒に「ここ教えて」と実践していくことが成長への第一歩です。やってみれば意外に簡単なことで、「聞いてよかった」と思うはずです。また、周囲に「よくわかんない…」と困っている生徒がいて、自分がわかっている場合は、自ら積極的に教えてあげると自分の理解がさらに深まる経験ができます。
本来は、学校の先生方がこの事実に気づいて、そのような雰囲気を増強するような学校づくりを進めていけばよいのでしょう。そのためには、普段の授業から『学び合い』を導入したアクティブ・ラーニングの授業を進めていけばいいのです。しかし、「周囲はライバル」、「受験は個人勝負」みたいな指導をする先生がいるのも現実ではないでしょうか?
大学受験に向けては、一人でコツコツと勉強を進められる習慣をつけることが重要です。