聴くチカラプロジェクトは、
聴くチカラ検定と聴き上手ママのWEB講座を二本立てで準備中です。
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これまでの段階では、話し手の言葉を丁寧に繰り返す、
ということを重視してきました。
ここでおさらいとして、以下のワークにトライしてみてください。
下の例文をまず、
声に出して、
普通の話し言葉のスピードで読んでから、
手で隠します。
「実は、わたしには結婚の決まった婚約者がいるのですが、
賛成してくれていると思っていたのに父に婚姻届の証人欄に捺印することを断られたのです。
婚約者とその家族のことが気に入らないのかもしれません。
式の日取りは決めて準備も進んでいるのに、祝ってもらえないなんて悲しすぎます。
母やきょうだいはいつでもはんこを押すよ、と言ってくれていますがそれだと後悔しそうだし彼にも申し訳ないんです」
見えないように隠しましたか?
そうしたら、今の文章をできるだけ正確に繰り返してみましょう。
立場を変えて聴き手として「正確に要約」するのでもいいです。
その場合は、
できるだけ話し手が使った言葉を使ってください。
ワークは以上です。
いかがでしたでしょうか。
ドリルには例題がいくつも用意しているので、何度でもチャレンジしてくださいね。
試していただくとわかることは、
日常会話のレベルでは、一定量以上の情報(少し長い話)になると、
一度聴いた話を大雑把に理解はできても、最後まで記憶するのは難しいということです。
記憶できないままに要約しようとすれば、
話し手は大雑把な理解の範囲で助詞や語尾を丸めたり、
"なんとなく似たような言葉"で言い換えたりしてしまいます。
これが、「聴き手の理解のための言い換え」、つまり記憶力のごまかしです。
言わんとしていることをしっかり理解していなければ
"似たような"言葉は話し手にとって微妙に違った意味になったり、
重みや深さや方向性を変えることも多いのですが
話し手が謙虚に「そうそう」と肯定することもよくありますので
どんどん理解がくいちがってくるのですね。
これが続き、聴き手が自分の応答の影響を自覚できないと、
話は核心には行き着きません。
ここまでの級のトレーニングに真面目に取り組んできて、
力がついてきた方であれば、
相手の話から言いたいことを一度で理解できる精度や、
感情をキャッチするアンテナが磨かれていますので、
正確に要約する段階から一歩進めて、
自分ではなく「相手のための言い換え」を習得できるレベルになっているはずです。
意味をくみとった上での言い換えはパラフレーズとも表現され、
うまくいくと、
ぼんやりとした感覚や感情に輪郭を与えて話し手の中に落とし込み、
焦点化・強化・深化する作用があります。
言い換えには多様な表現があり、
話し手と聴き手の心がぴったりとそろい、
言葉自体はぴったりじゃなくてもお互いに「同じことを表現している」ことがわかる、
という奇跡の瞬間も訪れたりします。
ここでは、イメージしやすいようにいくつかの言い換えの例を挙げておきます。
例
「弟が大声で怒鳴ったんです、自分に黙ってコソコソ何してるんだって。
でも彼が喜ぶと思って準備していたことだったんです」
→「弟さんのために準備していたのに、大声で怒鳴りつけられてしまったのですね」
(主語を第三者から話し手に言い換え、本人に焦点化)
「夫とわたしは長い間、同じように一生懸命考えて、協力して二人でやってきたんです」
→「夫婦はずっと、一心同体だったんですね」
(フレーミングによる強化)
「社会人たるものどんなにつらくても、少なくとも3年たたないと、
会社を辞めちゃいけないってしがみついてたんですよ」
→「あなたにとっては3年勤めてやっと一人前なのですね」
(意味への応答)
「自分の優柔不断なところに嫌気がさします」
→「決めるのに時間をかけるところがあるんですね」
(控えめなリフレーミング)
→「いろいろな選択肢の、いい部分を見つけちゃうんですね!」
(積極的なリフレーミング)
この中では、上から順に難しく、
話し手の言いたいことや気持ちから離れるリスクが高くなっていきます。
まだ信頼関係が強固でない相手に多用すると、「頭でっかち」「知ったかぶり」な印象を与えます。
できれば日常会話の中でトレーニングする際には、
あらかじめ「練習させてね」と断りをしておきましょう。
特に、最後のリフレーミングは、
あえてポジティブな方向づけをする技法です。
相手の準備ができていなければ受け入れられません。
聴き手としていつも、
相手の話をポジティブな方向に引っ張りたくなってしまう癖がある人は自覚しましょう。
たとえば劣等感、不安、怒り、嫉妬などの感情を抑圧し、歪めてしまうリスクがあります。