能登半島地震の被災者の皆様にお見舞い申し上げます。

台湾でも甚大な被害の地震が発生し、心配ですが、

かの地では行政の長の方の迅速な対応がネットで報道

されており、必要な支援もなされるであろうことが

救いです…。

支援や復興には多額の予算が必要です。

建設費やその他で経費が膨らみ続ける万博、メタンガスの

爆発事件がありましたし、今月12日までに中止すれば

違約金は350億円、それを過ぎると840億円以上との

ことです。

政府はなぜ、「いのちの輝く」というテーマに反し非道にも

パレスチナで残虐な殺戮破壊をしているイスラエルの参加を

認めるような万博をやめて、建設関連の人材や機材を

能登に向けようと考えてくれないのでしょうか。

 

音楽のお仕事 伴奏シリーズです。

ピアノを演奏する時って、普通は椅子に座りますよね。

(立って歌いながら、とか特別なシチュエーションとかも

あると思いますが)

 

音楽のお仕事=伴奏で、過去に経験した椅子にまつわる

2回の恐怖体験をお伝えし、皆さんがこんなイタイ目に

遭わないよう、転ばぬ先の杖、教訓として、お伝えさせて

いただきます。

 

<その1>椅子地獄と声楽家あるある?

若かりし頃、高校時代の音楽部卒業した数人で小さな

合唱グループを作って活動していました。

地域には音大受験希望者の声楽指導を一手に引き受けて

おられる声楽家の先生がおいでで、私達もご指導を

受けていました。

そのつながりで、その先生が地元中学校で文化祭時期に

演奏を依頼された折、私が伴奏を承ることになりました。

 

4~5曲位だったと思いますが、伴奏合わせの練習時、

その先生、ピアノ教室もやっておいでなのに、歌うとなると

歌唱に集中されるからか、楽譜全体にご注意が及ばないようで、

間奏を覚えておいて下さらないことが判明しました。

どういうことかと申しますと、間奏の途中で歌い出したり

なさるのです…。

実は、この現象は初めてではなくて、学生時代に同級生の

声楽の伴奏をした時にも経験したことがありましたので、

私の中では、声楽家あるある、となっています。

本番でも、もし変な所で歌い出されても対応出来るように

ドキドキしながら伴奏しましたが、案の定フライングを

されました。

これはいいんです、そう覚悟して神経とがらせていれば

対応出来ますから。

 

ですが、地獄、最悪のピンチは他の事でした。

演奏は、本番まで音楽室で待機して、出番になったら

体育館のステージに…という形でした。

紹介され、ステージに出ていき、椅子を…???

レバーで高さの換えられるおなじみのピアノ椅子なんですが、

え????一番下に設定されていたので、上に上げようと

したのですが、レバーが全く動かないのです…。

うそ…いっくら力を入れてもてこでも動きません。

もうスタンバイしているので、演奏を始めなければならず

仕方ありません、弾き始めました。

曲目ですが、普通の歌ならまだしもだったのですが…。

シューベルトの<魔王>があったのです。

皆さんご存知のようにオクターヴの連打に左手三連符の

音階フレーズが入り、かなり疲れる曲です。

連打をするのは、腕の力や筋力でドバドバ弾くのでなく、

実際は脱力して腕の重さも使います。

音大時代の恩師からは、椅子の高さの調整も大切である、

桐朋学園(日本の私立音大最高峰)受験では、椅子が

その人の体格やその曲・作曲家に相応しい高さでないと、

もう点数すらつけてもらえない位だと教わりました。

 

ご想像ください。 私、身長は150㎝ちょっとです。

ピアノの椅子が一番下の段ですと、座っても鍵盤から

ぶら下がる状態にしかなりません。

全て腕の力だけで弾くしかないのです。

どうやって弾けと???

ほんと、死ぬかと思いました。

ピアノ自体も、学校の体育館のものですから、長年使い古され

黄ばんで調整も悪く鍵盤の戻りが悪かったりしていました。

大好きな<魔王>の伴奏でしたので、良い感じで弾けるように

頑張って練習したのに、不本意な演奏になってしまいました。

 

事前に現場でリハーサルが出来なかったということが一番の

敗因とは思いますが、それを用意して下さらなかったこと

そして何より椅子の不具合を伝えて下さらなかった不誠実さ

に失望しました。

ピアノは、自分の楽器を持ち運べず、その場所に用意された

ものを弾くしかありません。

演奏前に、ピアノと椅子の状態を知ることが出来るように

必ず事前に主催者にご請求なさって下さい。

どうぞ、皆さん、くれぐれもお気を付け下さいませ。

では。次回はもう1回の地獄体験です。