シルヴイ・ギエム、熊川哲也、坂東玉三郎

死ぬまでに一度は生で観たいと願った3人

なかなかタイミングがあわなかったり

チケットが取れなかったりでチャンスが

なかった人たちなのだが今回

玉三郎様を観に行くことが

できたのだ。

 

大阪松竹座開場100周年記念 

坂東玉三郎×鼓童 初春特別公演 

幽玄

 


 

先週は雪で交通機関がとんでもないことになり

JRのポンコツぶりが露呈し、これは無理かなと

半ば諦めつつあったこの舞台、奇跡的にその日

一日だけは多少遅れつつも電車が動いたので

大阪まで行くことができたのだ。

 

大阪松竹座

 

 

演目は

『羽衣』『石橋』『道成寺』
 

歌舞伎って言うよりはの世界なのだが

私にほとんど知識がないものだから

全く先が読めない

でも不思議と退屈しないのよ。

 

いやーもうね、玉三郎と共演の
太鼓芸能集団の「鼓童」素晴らしかった

 

太鼓ってただ叩きまくるだけじゃなくて

あんなに多彩な表現ができるのね

 

「羽衣」は天女が松の枝に掛けた羽衣を

漁師が持ち帰ろうとして

それがないと天女は

天に帰れないから返してもらうために

舞を踊るわけですよ。

 

それがね、とても格調高いの。

そろりそろりと花道を歩いてくる玉様

頭の飾りがしゃらんと揺れるたびにため息

 

人生初の玉三郎様ですよ!!!

うっわ

き・き・きれぃぃぃぃぃーーー

 

今回ね、友人が花道脇の神席

取ってくれていたので

着物の衣擦れの音や息使いまで聞こえてきそうだし

「石橋」の時なんて獅子たちが駆け抜けていくと

風が吹くのよ。すごい躍動感に興奮した。

テレビで見るのとぜんぜん違うわけですよ

実際に見ると、なんなのあの毛振りの迫力!!!!

つって拍手の手に力もこもるわ。

 

「道成寺」は大きな釣り鐘が出てきたあたりで
長瀬×クドカンの「俺の家の話」を
思い出してしまった。

 

おそらく実際の話しとは少し表現方法は

違っているのではないかと思うのだけど

 

歌舞伎ほど外にある様々な芸術を
取り込んで栄えてきた芸能は

ないかもしれない

自由で柔軟だなー。

 

光と影

明るい娘の中に匿っている

怨念みたいなものが表出してくるあたり

ゾクッとして玉さまの凄みが言葉にならない。

別の人?って思うぐらいに豹変している

 

そして
ラストに向かって畳み掛けるように
舞と太鼓が鳴り響きクライマックス

ここらへんの躍動感と華やかさは

歌舞伎よりなのでしょう。

拍手と観客の感嘆の声にならない声と共に

緞帳が降りていったあとの客席
どよめいておりましたよ。圧巻
素晴らしかった。

 

それにしても太鼓ってやっぱり
なんていうか祭り?祝い?って感じがするよね

演奏シーンもまるでオーケストラのように
いろんな和楽器が奏でられる


舞台を奥まで使っているからか劇場中に音が響く
素晴らしかったわ。


それでもやっぱり

真ん中ですべてを支配しているのは
玉三郎様なわけですよ。

玉三郎様の美意識がとてつもなかった。

なんなんでしょうね、あの存在感

 


 

シルヴィ・ギエムは私がノロノロしている間に

ダンサーを引退したし熊川哲也だって自分が踊るより

演出などの方に力を注いでる感じだし玉三郎さまだって

いずれは裏方にって言っている。

 

そうそう勘三郎さんだって生で観たかったのに

亡くなってしまってもう永遠に見ること叶わずだ。

 

やっぱり玉三郎様が元気なうちに

いっぱい観ておきたい。

そして若くて美しい七之助も観ておかねば!

なんだかとっても忙しいぞww