
ススキ野原のど真ん中に建つ秋葉図書館。
新人司書の文子が配属されたのは、そんな小さな図書館です。
閉館後になっても帰ろうとしない小学生。
毎週水曜日、病院帰りに福祉バスでやってくる深雪さん。
長身白髪にハンチング帽という、まるでホームズのような寺田氏。
そして、文子の先輩司書・能勢さん。
図書館を舞台に、日常の中にある小さな謎がいくつも起こる。
文子が謎を解くというより
ほぼ能勢さんが一人で解決してしまうのですが(笑)。
能勢さんは国立大学の理学部を卒業して司書課程を修了。
専門知識はもちろん、語学も堪能。
なんかもう、私が知ってる図書館司書とは
レベルが違う気がする
ちょっとだけ図書館司書になってみたいなと
思ったことがある。
静かな図書館で本を整理したり本に囲まれて
仕事ができるなんて、なんて素敵。
ところが実際はそう優雅なことでもなく
近所の図書館の司書さんも
本を並べているか、カウンターで対応してるか
パソコンに向かってるか…
あれ?思ってたより全然のんびりしていない
でも、やっぱり本の専門家みたいでいいなぁと思う
そして、この本で私が「へぇ〜」と思ったのが
本の分類について。
図書館の本には必ずラベルがついていて
NDC(日本十進分類法)という図書館独特の分類法によって
「0 総記」から「9 文学」まで
まず10種類に分類され、さらに細かく分類されていくらしい。
世の中のあらゆるものを見た瞬間に
反射的にNDCのコードに変換して
認識してしまう司書もいるらしい。
まぁ、これはもう変人です(笑)
でもなんかこういうのいいよね
本を分類するための知識がいつの間にか
その人の頭の中の世界の見え方みたいな?
職人の域だよね。
こういう、普段はあまり知ることのない司書の
世界が垣間見えるのも、この本の面白さ。
そして、印象に残ったのが子どもたちの、図書館に家出
そこには子どもなりの思いや事情があるのです
ただ、その場面で出てくる
「図書館には本しかない。でも本だけはある」
という言葉が、とても心に残った
本の中には、自分の知らない場所があって
知らない人の人生があり、知らない世界がある。
書物の旅をしてみてくれよ。
また、大雪の夜に語られる雪女の話も印象的。
地元の有力地主である秋葉氏がこどもの頃に見たという雪女。
雪の夜に現れ、朝になると雪のように消えていた謎の人物。
昔の出来事が、長い年月を経て
思いがけない形で現在につながっていく。
まぁ、謎ときについては
「なぜにそれがわかる???」の場面があったり
えらく強引やないか・・・と思ったり(笑)
息をのむような緊張感が続くわけでは
ないけれど
図書館という静かな場所で
本にまつわる小さな謎が起こり
そこから人の過去や、それぞれが抱えているものが
少しずつ見えてくる。
事件そのものを追うミステリーというよ
図書館という場所と
そこに集まってくる人たちを楽しむミステリーでした。





