リバー、流れないでよ
京都・貴船の老舗料理旅館ふじやの仲居ミコトは、ある日、貴船川のほとりにいたところお女将に呼ばれ仕事に戻る。しかし2分後、ミコトは再び貴船川のほとりに佇んでいた。他の仲居や番頭、観光客も、熱くならない熱燗や減らない料理に異変を感じ始めて……2分間を繰り返す――この設定だけ聞くと正直ちょっとややこしそうでも実際に観てみるとこのよくわからなさがむしろクセになる舞台は京都、貴船の旅館2分経つごとに時が巻き戻る気づけば同じ2分を何度もループしているその異変に気づいた従業員や宿泊客たちがなんとかこの状況から抜け出そうと会議を重ねていくただし記憶はリセットされない経験だけがどんどん積み上がっていくつまり毎回「またこれか」と振り出しに戻りながらも登場人物たちは少しずつ状況を理解して少しずつ違う行動を取り始めるこの積み重ねがとにかく面白い一生〆の雑炊を食べ続けている人がいたり鉄砲を持った漁師が現れたり殺人事件が起きたりついには飛び降り自殺まで飛び出す2分という短さのくせにやってることが濃すぎるでも2分経てば全部なかったことになるさっきまでの大事件どこ行った状態この温度差がじわじわ効いてくる一見ドタバタ劇でもただの繰り返しでは終わらない同じ2分なのに回を重ねるごとに展開がズレていく会話も噛み合っているようでズレていく人間関係もじわっと浮き彫りになるそのテンポと会話のキレが気持ちよくて気づけばずっとニヤニヤしているそして何よりあの“走り”とにかくみんな走る走る走る2分しかないから必死なのはわかるけどその全力っぷりがもはや部活あれは無理自分なら3周目くらいで心が折れる奇抜な設定なのに妙に人間くさいバカバカしいのにちゃんと面白い不思議とクセになる一本90分というコンパクトさもありがたい変にダレないし最後まできっちり走り切る感じが心地いい原案・脚本の上田誠監督・山口淳太出演・藤谷理子、石田剛太、酒井善史、角田貴志、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、2023年製作/86分/G/日本配給:トリウッド劇場公開日:2023年6月23日GW多忙です💦コメント閉じますね