数年、いやもう10年以上は前からになるだろうか
よく行くスーパーで時々みかけるのだが

女装をしている男性、年齢高め
体にピッタリとした服とミニスカート
パンツ見えるで。。。というぐらいの
超、超、短いスカート


そしてなんといっても必ず足元はピンヒール
そのピンヒールをカツカツとさせて
お惣菜売場でかった惣菜を買い物かごに入れているのだ

 

どんな格好をしようと本人の自由なので

他人がとやかくいうつもりはないのだけれど

流石にこの時間のスーパーでは目立つ

 

私の中でのドラァグクィーンといえば

このお惣菜の彼(彼女?)が思い浮かぶほどの

なかなかのインパクトなのだ

 

さて、そんな「彼女」を思い出しながら

前から気になっていたこちらの本をようやく読みました。

 

 

ある町の路地裏に元超エリートのイケメン、

今はドラッグクイーンが営むお店がある。

深夜にしか営業しない不思議なお店

そこには様々な悩みをもつ人が集まってきて…

 

うわぁぁん、また好きな作家さんができたよ

 

ドラッグクィーンのシャールさんのお店にやってくる人たち

それぞれに悩みがあったり生き方が不器用であったり

そんな人達に寄り添ってくれるんですよ、シャールさんは

 

いやぁ、勝手に毒舌のマツコみたいな人

出てくるのかと思っていたら

そこに傷ついている人や、お腹の空いている人がいれば
必ず、美味しいご飯を食べさせる

シャールさんはそんな優しい人でした。

 

広告代理店に勤めている女性や

シャールの学生時代からの友人である学校教師

雑誌の記者やシャールのことを尊敬している

弟分的なジャダ

シャールの何が素敵って
相手が誰であろうと態度を変えないところですよ
それが同い年の柳田(中学校教師ね)であろうと

教え子の中学生でろうと。
常に、自分の考えを自分の言葉で、率直に語っている

「おかまって・・・大変なんですね」

そう言われたら
「あら、あたしじゃなくたって大変よ、

先生もあなたも、他の皆もね」

 

そうよね、それぞれに人生は大変で

苦いこともあるよね、誰だって。

 

「マカン・マラン」とはインドネシア語で

「夜食」という意味らしい。


出してくれる料理がまた美味しそうなんですよ

体に優しそうなお料理の数々

 

こんな店が近くにあったら

絶対常連さんになって

通い続けるわ私!!!

 

そして、シャールさん特製の

『世界で一番女王なサラダ』を食べるのだ

 

「どんなに色々なものが足りなくたって

誰もが自分の人生の女王様よ

あたしもそう。もちろんあなただてそうよ」

そんな風にそっと背中を押してくれて

前を向かせてくれる

「マカン・マラン」は

温かい居場所なのだ

 

ほっこりと優しい気持ちになれるのに

小さな悲しみがちょとづつ含まれて

私の心は大きく動いたのですよ。

 

誰かの心を軽くする言葉

魔法でもなんでもなくてそれは

シャールさんの人間力

 

「足りなければ満たせばいい

空っぽならば埋めればいいのよ」

 

 

 

おすすめです。