【CAST】
ヤコブ・セーダーグレン
脚本・監督::グスタフ・モーラー

2018 デンマーク

 

警察官のアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は

緊急指令室のオペレーター。

もともとは刑事だったのだろう、ある事件が原因で

緊急指令室に飛ばされてきたのだ。

 

次々と司令室に電話が入ってきて、強盗に襲われただの

誰かが暴れているだの交通事故の救急搬送の指令だの。

うんざり気味で対応をしているアスガー。

いつものようにかかってきた電話を取ると

切羽詰まった女性の声でSOSが

ん?これは非常事態か?

アスガーの警察官としての血が騒ぐ。

 

もうね、観てる私達に与えられるのは電話から聞こえる音だけ

息遣いや、会話からどういう状況なのかを想像するわけですよ。

女性が怯えた声で『助けて』っていうのよ。

家には幼い子供をおいて出てきている。

どうやら夫に無理やり家から連れ出された模様。

電話での会話だけ。

映像は一切出てこないんだもの。

 

想像力が刺激されてどんどん引き込まれていくんですよ。

見えないからこそ

不安だったり恐怖がより大きくなっていく。

 

画面の中はアスガーだけ。

アスガーのどアップ。

表情から緊迫感や焦燥感が見える。

 

そして電話から聞こえてくる車の音や遠くで聞こえる雑音、

段々と目が離せなくなてメチャ前のめりになってしまう。

途中からは子どもも出てくるんですよ。声だけだけど。

で、段々と状況が見えてくる。

見えてくるっていうかこっちが勝手に想像してるだけなんですけどね。

 

デンマークの映画らしく色調は暗く北欧の空気感もたっぷり

いやー、絶対お金かかってないよねこの映画

登場人物ほぼ、おっさん1人

って感じだものね。

そしてワンシチュエーション。 

なのに飽きさせない。

 

地味だけど傑作。

この構成と脚本には拍手。

88分、ギュッと詰まってます。

おすすめ~~。