5.お前の心は俺にも分からない | 君がために奏でる詩

君がために奏でる詩

妄想とねつ造の二次創作サイトです( ´ー`人´ー` )



前にぼーさんに言った言葉。


好きっていう気持ちは、相手のことを忘れるまで続くんだよ。



そう思って、ずっと片想いをしてきた。


1人でも恋はできるから、って。



でも最近、自分の気持ちが分かんなくなってきた・・・。


ジーンのことは好きだよ。ずっと好きでいられる自信もある。


だけどナルのことも嫌いじゃない。



ナルも今まで特に追求してこなかったから。


だからそれに甘えて、わざと考えないようにしてきたけど、


いつまでも、こんな中途半端な状態はよくないよね?



それに、『ジーン以上に僕のことを好きになるはずだ』って言うからには、


好きになってほしい、ってこと・・・だよね??



でも・・・。でーもー!!


普段から馬鹿だ馬鹿だと言われまくっているあたしの脳みそだよ!?


考えれば考えるほど深見に嵌るというか、混乱するぅぅぅぅぅぅ!!



「それって、恋か愛の違いじゃない?」


「ふに?」


「よく言うじゃない? LikeとLoveは違うのよー、ってね」



LikeとLoveの違い・・・。


っていうか、あたし声に出してたんだ・・・。それすらも気づきませんデシタ。



スコーン片手に紅茶を飲んでいるまどかさんは、年上の女性っていうのもあるけど


悩み事なんてありませーん、って感じの聡明な人だしなぁ。


きっとこんな事で悩んだりしないんだろうなぁ。



「じゃああたし、ナルをLikeで、ジーンをLove?」



そうボソッと言った瞬間、ぶーっっと吹き出す音と、ゲホゲホと噎せる声。


あり・・・・?



「は、反対じゃないの、麻衣ちゃん? んもぉ、せっかくの絶品の紅茶が勿体ない・・・」


「や。でも、ナルにドキドキしないっていうか・・・別の意味でドキドキする時はありますけど」



特にあの冷笑で連行される時とかね?


第六感の女のあたしとしては、本能的に怖い時があって・・・。


だけど逃がしてくれるほどナルは甘くないし優しくもなくて・・・っ!



あれ・・・。でもジーンに対してもドキドキしてたかな?


ジーンにつられて優しい気持ちになって、幸せに包まれる感じはあるけど、


ドキドキするというより、逆に癒されてほんわか・・・?



あり・・・・・??



首を傾げると、まどかさんは「そうねー」と言いながら何故かニンマリと笑っていて。



「じゃあ、ジーンとキスできる? もちろん挨拶のじゃなくて、濃厚なのね♡」



ジーンとキス・・・。しかも濃厚なの・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


ジーンとあたしが・・・・??



「想像できません!!!!」


「あら。でもナルとは夫婦らしいことして       いたっ!?」



パコンッと爽快な音とともに、まどかさんの背後には冷笑を浮かべたナルの姿がっっ。


ひーっ!! なんか怒ってる! いつも以上に雰囲気が怖すぎる!!



でもナルの上司、兼ゴーストハントの先輩のまどかさんは、


そんなナルを気にする様子もなく、ニコニコと笑って隣の席を薦めてるし!


強い・・・っ。


ナルの対応に慣れているあたしでさえ、逃げ出したい気持ちでいっぱいなのに!!



ナルはまどかさんのニコニコ笑顔に、あからさまに嫌な顔をしたけど、


         素直に着席。



「まどか。セクハラで訴えられるぞ」


「セクハラだなんてヒドイわね。可愛い後輩の相談にのってあげているだけよー?」


「未婚女性が既婚者の麻衣の相談にのっても説得力にかけると思いますが?」



あ。


言ってはならんことを・・・。



まどかさんの笑顔が凍った。


というか、場の空気そのものが凍った気がする・・・。



「麻衣ちゃん! こんな男とさっさと離婚しちゃいなさい!


「えっ、えっ!?」


「感情的になると、皺が増えますよ? 


もぉ若くないんですか「あははははは、ちょっと休憩に行ってきますねー!?」



慌ててナルの口を塞いで、そのままナルの研究室に無理やり押し込んで。


火事場の馬鹿力っていうの?


あたしもその気になれば、ナルを引っ張る力があるんだ。



自分にビックリしていると、ナルはさっさと自分のデスクに戻ろうとするし。


その後ろを着いて歩くと、ナルが立ち止った。



「何か用か?」


「・・・・・・用がないと、傍にいちゃ駄目なの?」


「邪魔。それにここは家ではなくて、一応は職場だろ?」



へーへー。公私混同したくない、ってわけですねー。


ご立派な心構えだけど・・・、本音は『麻衣はうるさいから集中できない』でしょ?


全てをひっくるめての『邪魔』なんでしょ??



ぶー、と頬を膨らませて睨むと、ナルは溜め息を1つ。



「聞きたいことがあるのなら手短に言え」


「んじゃ聞くけど、ナルってあたしのこと、LikeとLove、どっち?」


「嫌いな女と結婚したり、あまつさえ抱いたりすると思うか? 時間と労力の無駄だろ」



その答えもどうなんだ・・・。


でもさ、その答えだけを信じることができないのも事実なんだよ。



「もしあたしが亡くなったら、家族として同意書にサインして解剖する気満々でしょ?」


「否定はしな「否定しろ!!」



そうだよね。実のお兄ちゃんのジーンのことも、解剖する気満々だったもんね。


家族から虎視眈々と解剖の機会を伺われていた、って知った時


あたし本気でジーンのことを同情したもんね。



・・・・・・・・・・今あたしがその状況なんだろうけど。


ねぇ、ジーン。。。泣いてもいいかな??



「そんな絶望的な顔をするな。麻衣が僕よりも長生きすれば済む問題だろ」



・・・・・・・あ。それもそっか。



「ナル、過労死しそうだしねー。その前に栄養失調で倒れたり?」



この学者バカは、何度言っても睡眠時間は短いし、


紅茶をご飯にしようとしやがるし、サイキックは…最近は使ってないみたいだけど、


身体にいいことなんて何一つしてないんだもん。



それでも、リンさん曰く


「谷山さんのおかげで、だいぶ人間らしく生活するようになりました」って言ってくれたけどさ?


あたしと出会う前、どんな生活してたのさ。



ただ本人は危機感がないというか、あっさとり認めてくれちゃって。



「そうだな。でも僕が死んだら人類にとって大きな損失だろうな」


「自分で言うな! そんなんだから、傲岸不遜・傍若無人・


天上天下唯我独尊的ナルシストって言われるんだよ!」


「でも事実ですから?  世の為にも、そろそろ僕の遺伝子を残したいんですけどね?」



遺伝子を残したい、って子供っすか。


あー・・・ナルの遺伝子濃そうだし、ナルに似た子供とかできそうー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


っていうかさ、その場合、産むのはあたしってことにならないかい??



絶賛混乱中でいると、いつの間にかナルがあたしの目の前にいて。


無表情だから、ナルの真意がわからないっていうか・・・



子供が欲しいのは、自分の遺伝子を残したいから?


それとも両親が能力者だった場合、子供も能力者なのか調べたいから?


・・・・・・・・・・あたしとの子供だから欲しいの??



よく分からないけど緊張して。


カラカラな喉から、やっと声を紡ぎ出して聞くと、一言「馬鹿」と返ってきた。



「・・・・・・バカバカ言わないでよ! そりゃ博士号を持っていて、


世界的に有名な超心理学者様に比べたら馬鹿だけど!! 」



確かにあたしは馬鹿だよ。


勉強も得意じゃないし、何より自分の気持ちすら分からんない、って言ってる馬鹿だけど。


だけど、あたしはあたしなりに悩んでたりするんだよ!



「ナルにとっては、くだらない悩みかもしれないけど。


だけど・・・っ! あーもー、分かんないっ!! ナルはいいよね。


その頭脳明晰な脳みそで全部解いちゃうんだから! 分からないものなんてないんでしょ!」



これじゃ八つ当たりだよ。


だけど色んな事が自分の中では消化できなくて爆発しちゃって。


一気にまくし立てるように言ったあと、部屋の中に響くのはあたしの荒い息だけ。



はぁはぁと肩で息をしていると、ナルの綺麗な指先があたしの視界に映った。


そして、目尻にそっと触れてくる。



「泣くな。ブサイクな顔が更に汚くなるぞ」


「・・・・・・・・・・・・もっと他に言葉はないんでしょうか」


「僕にも分からないことはある。だから研究しているんだろ?」



でも・・・。


そう呟きながら、毒舌とは裏腹に涙を拭ってくれる指先の動きは優しくて。



「研究が進めば、謎もいつか謎で無くなるかもしれないが、


        麻衣の心だけは、きっと一生分からないままだろうな」


「・・・・・・・・・・・・天下のオリヴァー・デイヴィス博士でも    ふにっ」



痛い痛い痛い痛いっっ鼻をつまむなっ!!



「麻衣は第六感の女だろ? 頭で考えるより、感情で動く動物だろ」


「いひゃいっつーにょ!」


「お前は好きでもない男とキスしたりするのか?


ジーンともするのか? ぼーさんとも? 安原さんやジョンやリンともするのか?」



するわけないでしょ! 分かり切ったことを聞くなっ!!



「そんな目で見たこともないさっ!! つーか痛いっつーの!!!」



手を思いっきり振り払って答えると、ナルは「ふーん」と言いながら


最後にあたしのおでこにデコピン。


だけど・・・、なんかご機嫌になった??



「なら、本能的な部分ではそうなんだろう?」



本能的な部分では・・・。


ナルとだけキスしたりするのなら、あたしの本当の気持ちは・・・。



すとん...と答えが落ちてきた。


と共に、何だかスッキリ爽快?



「あたしってたんじゅーん」


「単純なのは昔からだろ」


「ジーンのこと、Likeでしたーって言ったら、ジーンは悲しむかな?」



ジーンもあたしのこと、大切に想ってくれていたはずだけど、


それって恋愛感情だったのかな??


あたしがナルを好きでも・・・、今までと変わらずにいてくれるのかな?



そんな心配をしていると、ナルは考える間もなく即答だった。



「ジーンは可愛い妹を欲しがっていたからな。


今頃きっと、うるさいくらいに喜んでいるだろうな」


「あたし、可愛い??」


「愛嬌はあるな」



それは妹というよりもペット感覚なのでわ。。。


ぶぅと頬を膨らませると、ナルは椅子に座って分厚い本を読み始めちゃって。


相変わらずな態度で、甘い空気も流れやしない。流れても困るけどね!



「麻衣。お茶」


「へいへーい」



とびっきりの紅茶を淹れてあげようじゃないか。



日本で言う「お前が作った味噌汁をずっと飲みたい」じゃないだろうけどさ?


あたしもナルにずっとずっと、美味しい紅茶を淹れてあげるね。



1人でも恋はできるけど・・・


やっぱり二人で愛し合えた方が幸せだよね?




「ナル。大好きだよ」



紅茶を渡す時に告げると、


ナルが受け取ったのは紅茶が入ったソーラーカップではなくて、


      あたしの唇。


いつものキスよりも、ずっとずっと甘く感じたのはお互い様?



「麻衣は甘いな」


「それはどんな意味でしょう。。。」


「どんな意味だろうな?」



簡単に答えを教えてくれないのはいつものこと。


でも今回は何となく分かっちゃった気がする?



にへらと笑うと、「間抜け面」と言われたけど、


そんな毒舌をはくナルの唇だって甘く感じて。



        紅茶が冷めるまで、甘い甘いキスを繰り返していた。






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お題、終了ー\(^o^)/


これで本当にアメブロでの小説更新は終了ですねw



全体公開でUPしているからには読み逃げは仕方ないんですけど、


アメブロはそれがかなりヒドイし、


ここ最近、アメンバーの申し込み者はことごとく無言申請で・・・。


基本的には承認してますけど・・・!


してますけど、承認した後も何のコメントもなしで、


一言、挨拶くらいしようよ? と思わずにはいられないです(;´▽`A``



アメンバーを承認したのが132人ですか・・・?


半数はどんな人か知らない状態でーす(´・ω・)