父が95歳で逝った


脳梗塞で二度倒れてから

寝たきりになり介護施設での生活だった

最近では母(故人の妻)の顔を見ても

わからない様子だった


コロナ以降介護施設や老人ホームは

依然感染症予防のセキュリティ管理は

徹底され息子や孫でも容易に面会は

許されていない

事前の面会予約が必要になっている


数日前から食物を自力で飲み込めなくなり

点滴での栄養補給になり、近親者の早期

面会を勧められた


次の予約を取った翌日に

施設から危篤の連絡があり急行

死に目には立ち会えなかった


葬儀場の通夜室に移送され

安置された


筋骨隆々としたマッチョなオヤジが

痩せてちっちゃくなってた

穏やかな顔をしていた

寝ている様だった


オフクロは見るたびに小さくなる

腰は曲がり膝が痛くて歩けないらしいが

気丈だった


故人の兄弟たちは高齢で遠方のため

葬儀には参列できなかった


その代わり孫やひ孫に囲まれて

賑やかに見送られて荼毘にふされた


大往生だったと思う


大往生…

身内のみが使う言葉であり


個人が天寿を全うできたことを

来訪者のそれまでの親交や支えに

感謝する意味で使うので

家人がつかうにとどめるべきものらしい


なので

よそに弔問に行った時に

お悔やみを言うときに

『大往生でしたね』などと

言ってしまうのはタブーになる


親交が深くて世間話するなかで

つい言ってしまうこともあるけどねw




職場などでは


〇〇さんのお爺さんが

亡くなったらしいよ

老衰だね100歳だったってさ


長生きだったね

じゃあ大往生だったね


(こんな世間話はよくある)




お通夜や葬儀の弔問では

『大往生』を故人家族に対して

使うのは場合によっては

非常識になるので気をつけよう


逆に祝いの席では

お祝いに『寸志』と記すが

受け取った側で披露する場合に

『たくさんのすんしをいただきました』

と言ってしまうのはヤッチャッタのである


この場合は

たとえ100円でも(あまり、のし袋に

100円入れる人は居ないだろうけどね)

お志をいただいたのだから

「たくさんの御芳志(ごほうし)を

いただきました」…と言うべきであるw

※これもニヤついて言うと『少ないね』と

取られかねないw


ん〜日本のマナーは難しいね

相手の気持ちを大事にする思いやりの

文化がベースなんだろうね


昭和生まれで大家族で爺ちゃんや

婆ちゃんのいる家庭で育った子供は

核家族で暮らす現代の若者より

そういった常識と非常識を学ぶ機会が

多かったはず


子供が非常識ならその親も非常識だ

「この親にしてこの子あり」だ

(これは良い意味でも使われるらしい)


いい服を着た名刺に役付きの肩書きの

ある人や、公務員、教員が前述したような

言葉遣いを間違えているとがっかりする



気持ちが有っても、残念な印象になる

気持ちが無いことが見え見えになるw


亡くなったオヤジはそんなことを

些細な常識を教えてくれた常識人だった

気がする


会葬者も多かった

晩年、詩吟やゲートボールなど人と交流

するのが好きだった




親孝行 したい時には 親はなし




気をつけなはれや!