(3巻38番 原詩)
La gent Gaulois & nation estrange
Outre les monts, prins & profliges:
Au moys contraire & proche de vendange
Par les Seigneurs en accord rediges.
(直訳)
フランス人と見知らぬ国の人々
山の他 prins と壊滅的な打撃を受ける
反対の月 ブドウの収穫の時期の近く
同意の中の領主によって 書く
(解説)
ここでは、まず、2行目に着目しますが、
「山の他」は「山以外の地域は」と捉えることができます。
となると「海抜の高いところ以外は壊滅的な打撃を受ける」という意味になりますね。そして、このような現象が起きるケースを考えた場合、最も考えられるものは「何らかの原因で海面上昇が起き、それが被害をもたらす」というものでしょう。
ちなみに、まだ「prins」の意味は特定できていませんが、他の詩のものと照らし合わせて考えると「捕まる」というような意味ではないかと思われます。
次に1行目ですが、「estrange」には「外国」などの意味がありますが、訳では「見知らぬ国」の方を採用しています。ノストラダムスは、ヨーロッパ方面の国であれば、いろんな地域名を使って表しているので、ヨーロッパ方面で起きることであれば、単に「estrange」という表現はしないと思います。
ですから、ここで被害に遭う国は、アジア方面か、アメリカ方面である可能性が高いということです。
そして、3行目ですが、
「反対の月」
については、いろいろな解釈が出来そうです。ただ、ここで使われている「月」は「1月、2月・・・」の月ですから、ここで時期を特定できるということになるでしょう。
また、「ブドウの収穫の時期」は「8月~10月」です。
ですから、そこから見て「反対の月」となると、ノストラダムスは「占星術」を扱っていますから、牡羊座、おうし座などの12宮でみたときの反対側、すなわち「半年後」と考えることができます。
となると、山以外のところに被害をもたらす時期は、その半年前の「2月~4月」。
この時期に起こることで、今の段階で分かっているのは
「惑星アポフィス」
の接近です。日付は2029年4月13日。
もしも、このときに地球の引力圏内を通過した場合、引力によって海面上昇を引き起こす可能性があるのではないか、と考えています。
ただし、まだまだ不明な点が多いですから、今の段階では、一旦、
「アポフィス接近による海面上昇」の話
としておこうと思います。
(意訳)
不明