(3巻77番 原詩)

Le tiers climat sous Aries comprins,
L'ans mil sept cens vingt & sept en Octobre,
Le Roy de Perse par ceux d'Egypte prins
Conflict,mort,perte, a la croix grand opprobre.

 

(直訳)
 牡羊座のもと 第三の気候はcomprins
 1700年10月27日
 ペルセの王はエジプトのそれらによってprins
 戦い 死 喪失 十字架に向かい 大きな汚名

 今回も、全体の意味は、ハッキリとは分かりません。ただ、3行目に「1700年」が出てくるんですね。
 この「1700年」というのは、1巻49番にも出てきました。これです。

(1巻49番)
 これらのことが起こる、ずっとずっと前
 月のように見える美徳による東洋のもの。
 1700年に群衆が持ち去られ
 北風が吹く隅々までを、ほとんど征服する

 この時の1巻49番の解読は「紀元前1700年」のことで、サントリーニ島のミノア噴火を指すというものでした。北半球を征服するというのが、それに当たるという解釈でした。
 そしてもう一つ、ノストラダムスのセザールの手紙の中には「3797年」という謎の数字が出てくるという話で、そのときには「紀元前1700年」から「2097年」までの「3797年間」の預言になっている、という解釈でした。

 そして、今回の詩には、4行目に「死」「喪失」「十字架への汚名」が出てくるんです。
 この詩を見たときのの、自分の第一印象は「キリストの処刑の話ではないか」というものでした。
 すると、このように考えられます。紀元前1700年を起点としたときに、1700年というと、ちょうど紀元元年あたりのことになるのではないか。このように考えていくと、この詩は「キリストの生誕から処刑までの話ではないか」ということなんです。

 ノストラダムスが同じ「1700年」という同じ単語を使っているということは、必ず、何かを示唆しているはずです。そして、同じ単語を使っているときには、その詩によって「違う解釈」が適用されているということが、割と多めに出てきます。今回の「1700年」も、そのように扱われているように思います。

 

 もう一つ、この詩では年月日が正確に記されていること。ノストラダムス自身が「詩の内容は、それが起こる直前か、起きた後でなければ分からない」と言っているわけですから、現段階では、この日付が、何の日を指しているのか分からないものになっている可能性が高い。

 

 そして、これを紀元元年頃の内容として考えたときに、いまだに日付がはっきりとしないものとして一番、ピンとくるのは「キリストの生まれた日ではないか」ということです。キリストの誕生日として祝われているクリスマスは、キリストの誕生日がはっきりとわからないため、冬至を基準に仮に決められたもので、現時点でも、いろいろな説があって、正確には分かっていません。

 

 ただ、何かの機会に、今後、キリストの誕生日がハッキリし、それによって、この詩の意味合いが分かることになるのではないかと思っています。

 

(意訳)

 不明