(1巻19番 原詩)
Lors que serpens viendront circuir l'air,
Le sang Troien versé par les Espagnes,
Par eux; grand nombre en sera fait tare,
Chef fuit, caché aux marets dans les saignes.
(直訳)
蛇が空気でとぐろを巻いたそのとき
トロワの血がスペインによって注がれる
それによって その偉大な数字が風袋を成熟させる
首長は逃げ 血でできた池に隠す
今回のポイントは「トロワの血」です。
「トロワ」はフランス語で数字の「3」の意味。原詩では「Troien」と大文字で扱われていますから「固有名詞」的な扱いになっています。
そして、この時点で「3」が関わっているものは「イタリアの噴火口」。すなわち、ここでは「イタリアの火山の血筋」の何かができるということですね。
そこで、まず、1行目ですが、ここで出てくる「蛇」は「空気でとぐろを巻く」訳ですから、空気がらせん状に回転する様子ですよね。ですから、この「蛇」は竜巻や噴煙のようなものがらせん状に上に向かって登っていく様子だと思われます。
2行目に関しては、この「トロワの血=トロワの血統」に当たるものがスペインに出来るのか、イタリアの噴火口にスペインが「何らかのことをするのか」、この詩では、ハッキリさせられません。いずれにせよ、火山の噴火にスペインが絡んでくるのは間違いないでしょう。
もしもスペインにできるとしたら、水没の原因になる亀裂から、水蒸気が勢いよく噴出し、それと一緒にマグマがながれだしてくるのではないかと思われます。
3行目では、この噴火口が「風袋」を成熟させるわけですから、いわゆる「火山性の水蒸気爆発」を起こすのではないかと思われます。
4行目に出てくる「血で出来た池」は、噴火口が真っ赤な溶岩で満たされている状況。これは、イタリアの火口でも似たような表現が出てくるので、間違いないと思います。ここに首長が何かを隠すのですが、何かの物を隠すのか、それとも自分自身を隠すのか、それは、まだ、分かりません。
(意訳)
イタリアで起きることか、スペインで起きることかがまだはっきりしないので、ここでは不明としておきます。