(7巻6番 原詩)
Naples Palerme, & toute la Sicile,
Par main barbare sera inhabitee:
Corsique, Salerne & de Sardeigne l'Isle,
Faim, peste guerre, fin de maux intenptee.
(直訳)
ナポリ パレルモ シシリー島のすべて
手で 野蛮なものが無人にしてしまう
コルシカ島 サレルノ そして サルディーニャ島やイズ-ルに向かって
飢饉 ペスト 戦い 悪の行為の繰り返しが終わる
ここに出てくる地名はだいたいイタリアですね。そのイタリアのナポリやシシリー島などが、野蛮なものの「手」よって「無人」になってしまう、という話です。
それじゃあ、ここで出てくる「手」というのは、何か、ということですが、これは「実際に人の手ではないでしょう」。比喩表現になっていると思われます。何の比喩かというと、やはりイタリアでは火山が噴火するわけですから、その火山の様子を比喩していると捉えた方がいいでしょう。
2巻16番では、イタリアの南部で火山が噴火するという話でしたから、その続きと考えていいと思います。
すると、この「野蛮なもの」は、やはり大災害を起こしている「火山」。そして、その「火山の手」に当たるものは、おそらく、噴火口から流れ出てくる溶岩がグッと伸びて広がっている裾野のことを指すということです。この溶岩から避難するため、その一帯には人がいなくなってしまうということでしょう。
すると、この「野蛮なもの」は、やはり大災害を起こしている「火山」。そして、その「火山の手」に当たるものは、おそらく、噴火口から流れ出てくる溶岩。この溶岩から避難するため、その一帯には人がいなくなってしまうということでしょう。
ただ、溶岩がナポリやシシリー島にまで流れていくとなると、この噴火、人類が経験したことのない、非常に巨大な噴火活動になっているということです。ですから、実際に出来る火山も相当大きく、第二十二弾で書いた、イタリアの背骨に当たる「アペニン山脈」を征服する、という表現も、大げさではない、ということですね。
ちなみに、地球の歴史として考えると、シベリア・トラップを作り出したスーパープルームという大噴火があったということですから、地球上で起きてもおかしくはない噴火だということです。
(意訳)
ナポリ、パレルモ、シシリー島のすべてを
噴火した溶岩が包み込み 誰も住めなくしてしまう
さらにコルシカ島やサレルノ、サルディーニャ、イズールにまで その溶岩が襲ってくる
4行目 不明