(2巻61番 原詩)

Agen, Tamins, Gironde & la Rochelle,
O sang Troien Mort au port de la flesche,
Derriere le fleuve au fort mise l'eschelle,
Pointes, feu, grand meurtre sus la breche.  

 

(意訳)
 アジャン タミン ジロンド そしてラ・ロシェル
 おお トロワの血 矢の港に向かう死
 しっかりと置かれた大河の後ろの梯子
 頂上 火 大いなる殺戮は裂け目であることを心得ている

 まず1行目ですが、アジャン、ジロンド、ラ・ロシェルはフランスの町。ただ、タミンだけはスイスの東、オーストリアとの国境近くの町です。

アジャン - Wikipedia

タミンズ - ウィキペディア (wikipedia.org)

ジロンド県 - Wikipedia

ラ・ロシェル - Wikipedia


 2行目で「トロワ」が出てきています。この「トロワ(3)」は、イタリアに出来る火山の噴火口の数で、基本的に「トロワ」が出てくると、イタリアの火山を指すと思っていてください。

 

 ただ、この地名を地図で見ると、フランスでもどちらかというと、イタリアから離れた方の町です。そして「トロワの血」と出てきますが、もしも、この「血」がマグマを指すのであれば、ここまでマグマが流れてくることになるわけですが、すると、この間に位置する地域などは、すでに早い段階で壊滅しているはずです。でも、詩では、そのような状況になっていません。

 

 また、他の訳では「トロワの血統」と訳しているものもあります。ですから、状況を考えたときに、イタリアの火山がフランスやスイスに直接的な影響を与えることよりも「トロワの血統~同じ血筋に当たるもの」が何らかの影響を与えると考えた方が正しいのではないかと思われます。

 そこで「トロワの血筋」なのですが「トロワ」は火山ですから、これと同じ血筋のものと言うと、やはり、同じ「火山」か、または、天変地異などの自然災害を指していると考えられます。さらに別の詩では、スペインにも「トロワの血統」が現れますから、同じ血筋というと、やはり火口や、もしくは、マグマが噴出する亀裂のようなものが出来るのではないかと思われます。

 4行目に「頂上」と出てきますから、これがイタリアの火山を指しているとすると、ある程度、時間がたって、噴火が進んで、山がかなり大きくなった後の事。そのときに「裂け目」が出来るようです。おそらく、この裂け目は、地殻変動によって起きた断層。それも、大いなる殺戮を起こしますし、後に、ヨーロッパを水没させるわけですから、今まで、人類が直面したことの無いような大きな断層が出来て、人々がその裂け目に吸い込まれて命を落とす、と考えられます。

 

(意訳)

 アジャン タミン ジロンド そしてラ・ロシェルで

 イタリアの噴火と同様にマグマの噴出場所が出来る(以下不明)

 3行目(不明)

 (不明)地殻変動により、非常に大きな断層が出来る