(1巻29番 原詩)

Quand le poisson terrestre & aquatique,
Par forte vague au gravier sera mis,
Sa forme estrange suave & horrifique,
Par mer aux murs bien tost les ennemies.

 

(直訳)
 陸や海の魚が
 砂利の強い波によって置かれるとき
 その心地よくも恐ろしい形
 こんがりとよく焼けた敵の壁に向かってくる海によって

 1・2行目は、津波の話だということが分かると思います。陸の魚まで連れてくるわけですから、陸地を襲った津波がさらに別のところまで到達するという話ですね。


 次に4行目を見ると「よく焼けた敵の壁」が出ています。問題は、この「壁」とは何なのか、ということです。


 そこで、覚えておいて欲しいのですが、ノストラダムスが「敵」と言う場合、基本的には「人類に害をなす、天変地異」のことで「イタリアに出来た火山」か「サントリーニ島」を指すことが多いと思って下さい。

 そうなると、壁が焼けている方の「敵」です。おそらく、マグマの噴出によって山全体が溶岩に覆われているような状況になっている「イタリアの火山」の事を指していると思われます。


 そこにサントリーニ島の噴火によって発生した津波が押し寄せる、という状況のようです。
 ということは、まだ、イタリアの火山が噴火活動を続けているときに、サントリーニ島の噴火が起きる、ということですね。

 

(意訳)

 大きな津波によって、

 海や湖の魚が陸に打ち上げられるとき

 3行目(不明)

 その津波が、イタリアの火山の溶岩が流れているところまで到達する