(1巻3番 原詩)

Quand la littiere du tourbillon versee,
Et seront faces de leurs manteaux couvers,
La Republique par gens nouveaux vexee,
Lors blancs & rouges jugeront a l'envers. 

 

(直訳)
 熟練の渦のような藁
 そして、顔が彼らのマントで覆われるとき
 共和国は新たな兵士によって怒る
 そのとき 白と赤が裏返しに決める

 この詩の4行目ですが「白と赤が裏返し」となる世界的な話と言うと、自分は一つしか知りません。「赤十字」です。


 ここで、ナイチンゲールの話を簡単に書いておきますが、有名な話としてはナイチンゲールが従軍看護師としてクリミア戦争に行ったときに、敵・味方関係なく治療に当たったというものですね。実は、それまでは、従軍看護師であるにも関わらず、軍隊なのか看護師なのかが区別しづらかったため、敵の軍隊の攻撃を受けることが度々あって、そこで「軍隊ではない」ということをハッキリさせるため、当時従軍していたスイスの国旗の赤と白を反転させた旗を作ったんです。そして、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、スイスの国旗は「赤地に白の十字」。それを逆転して「白地に赤の十字」の旗を作ったところから、今の「赤十字」のマークが出来たんですね。ちなみに敵の軍隊の治療も行ったというのは、ナイチンゲールの慈愛の精神もあったと思いますが、そのことによって、敵から攻撃されないというメリットもあったのではないかと思います。

 終末の大災害のときの詩には、「色」を書いている詩もいくつか出てきてます。そして、おそらく、その中には、災害に対して支援活動を行う赤十字の話もはいっているのではないかと考えています。
 また、こうした災害に対して支援を行う者たちに対し、ノストラダムスは非常に好意的だったのではないかと思っています。なぜなら、この詩、1巻の3番目。1巻では、1番目と2番目がノストラダムスの預言を得ている時の様子が書かれていますから、これから起こる「預言として」は、一番最初の詩になるんです。

 

(意訳)
 慣れた手つきで、渦を巻くように敷かれた藁でつくられた寝床の上に
 亡くなった兵士が並べられ、その顔にマントがかけられるとき
 フランス軍は、新たに現れたロシア兵に対して怒りをあらわにする
 その戦争のときに、スイス国旗の白と赤を逆にした「赤十字」が作られる