トヨタ自動車は、4日、2009年をもってF1から撤退することを発表し、東京都文京区の東京本社で豊田章男社長、山科忠TMG(トヨタ・モータースポーツGmbH.)会長兼チーム代表が会見を行なった。
会見で豊田社長は「身につまされる思いだが、現在の経済環境を中長期的な観点から判断して、苦渋の決断であることをご理解いただきたい。ファンのみなさんには来年こそ頑張れと言ってもらっていたが、期待に応えられず心からお詫びしたい」と心境を語った。
さらに「本年6月に社長に就任し、商品を軸とした経営を進める中で会社のリソーセス(資源)をシフトすることになり、誠に残念ながらF1を続けられなく
なった。私個人としてはモータースポーツを推進し、自動車文化のひとつとして応援しているが、6月に社長になって立場が変わった。昨年来の経済危機以降、
F1を続けるか続けないかの議論を続けて、TMGの山科やハウエット(TMG社長)さんらチームは頑張ってコストを削減し、ありとあらゆることを尽くして
やった。しかし、最終戦が終わり今日の取締役会で今の経済状況では撤退せざるを得ないことになった。最終判断は私。F1だけのファンには申し訳ないが、
モータースポーツは底辺から幅広く支えたい」と撤退に至った経緯を語った。
F1からは完全撤退し、他チームへのエンジン供給も行なわず、F1チームは売却やマネージメント・バイアウトによる活動継続も行なわない。モータースポーツ子会社のTMGは、欧州におけるモータースポーツ活動拠点へと、事業内容を転換していく予定。
若手ドライバー育成プログラムであるTDP(トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム)は縮小しながら継続し、TDP所属の中嶋一貴、小林可夢偉とは今
後もドライバーマネージメント契約を継続する。山科氏は中嶋と小林について「ここまで育てた2人なので、できればどこか(のF1チーム)に乗せてやりた
い」と声を詰まらせながら語っていた。また、北米のNASCARや日本国内のSUPER GTなど各地域でのモータースポーツ活動は継続する方針である。
現在の会社の状況を踏まえるとこの決断は致し方ないのかもしれませんが、FⅠファンとしてはなんとも残念な思いですね。こういう文化は例え厳しい状況でもやり続けて初めて評価されると思うので。特に欧州ではね。
ホンダ、BSとこういう形で撤退してしまうと、次に参戦する日本企業は風当たりは厳しいんじゃないのかな。