これまでに、統合失調症の弟が家族に向かって幾度となく、包丁で切り掛かったことがある事は、何度か話したと思う。




実家では、料理に使う切れ味がイマイチの菜切り包丁(先が尖っていない長方形の包丁)1本以外は全て隠してある。




以前、実家に行った際に、たまたま私が調理をした後に、うっかりまな板の上に包丁を置いたままにしてしまったことがある(ただ、母も時々うっかり出しっぱなしにしていることが多い)。




何がきっかけかは忘れたが、その時運悪く、うっかりまな板の上に置いたままになっていた包丁を弟が振り回して暴れだした。




この時は誰も怪我をせずに済んだが、父や母から「あんたがまな板の上に包丁を置いておくから悪いんだ」と罵られた。




包丁で切り掛かられた上に、うっかりまな板の上に包丁を置いていたお前が悪いと罵られ、ふんだりけったりである。




弟に暴力を振るわれたくないがために、四六時中、弟を刺激しないように神経をすり減らしている家族と統合失調症とは言えやりたい放題の弟。




家庭の中で、統合失調症の患者が組織ピラミッドの頂点に君臨し、パワーバランスがおかしい状態が常態化すると、家の中の常識が非常識になってくる。




家の中の常識が、統合失調症の弟に迎合する形で非常識になっていく、さらに、その非常識を有無を言わさず飲み込まなければならない家族には、そのことがとてつもないストレスになる。




親が子供を愛するのと兄弟が兄弟を愛するのとでは、全く愛情の奥行きが違うと私は思っている。しかもうちの姉弟は、はなから仲が悪い。




親には受け入れられるレベルの非常識や理不尽でも姉妹には受け入れられないことの方が多いのではないか。




統合失調症の患者が家族ピラミッドの頂点に君臨することで、他の家族が精神的におかしくなってしまうことも充分あり得る。




統合失調症の患者だけではなく、振り回されている家族にも公的機関や病院などのサポートの手が必要だと切に思う。