伊勢参宮道で伊勢詣り Day3の9 | らんまるの街道歩き・暗渠散歩ブログ

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10月3日(火)~6日(金)に四日市近郊の日永の追分から伊勢神宮まで続く 伊勢参宮道を歩いた旅の模様、三日目の旅のその9をお送りします。

 

この日の歩行ルートは↓。当初まばらでしたが、記事で触れているところについては大体街道遺構などのポイントも記載できています。

この日は松阪の中心街から、伊勢神宮の外宮(げくう)の門前町、伊勢市駅前まで歩き、寄り道含めてざっと23~24㎞ほどの行程です。

 

その8では、北畠氏の田丸城から移築された轉輪寺の門をざっと見た後、魅力的なうさぎの乗り物のある公園で休憩したところまでをご紹介しました(↓2枚再掲)。

 

この辺りは前回記事で紹介した「明星水」という名水のある明星村という集落でしたが、立場(たてば)であったため、「茶屋多し、宿駅ならねども客舎あり」と言われただけあって立派な家が少なくありません。

こちらも元は立派な商家の出とかではないでしょうか。

 

と、思えば完全に草木に埋もれてしまった廃屋もありました。

 

不意にバラバラッ!という音がしたので上を見上げると、自衛隊のヘリかな?

あまり望遠の強くない(そして壊れかけの)コンデジだったので、拡大しても確証は得られませんでした。

 

やがて現れてきたのはかなり立派な黒板塀と門のあるお宅。

こちらは三忠といって、かつて伊勢参宮土産として人気のあった擬革紙製の煙草入れを商っていたんだそうです。

 

この屋敷の奥というか裏側に、先ほども名前の出た田丸城の城門があったのですが、距離もあるのでスキップしました。ストリートビューで見てみると、こんな(↓)感じです。

貴重っちゃ貴重ですが、「何が何でも」ってやつでもないですね。

 

そのすぐ先の街道左側に道標があります。嘉永六年(1853)のもので

「從是外宮二里 宮川江一り」と刻まれています。

何で一里の方の「り」だけひらがなにしたんだろう。

 

この辺りでも旧立場を意識されたのでしょう、かつての屋号の札が玄関に掛かっています。

かめやは「亀屋」なのか商いとしての「甕屋」なのか難しいところです。

 

すっかり今回の道中でおなじみとなった、幅広妻入り+幕板物件。

四日市~津辺りまでは、厨子二階+袖壁+幕板仕様がメインキャストだったのが、少しずつ入り混じるようになり、後半戦に入ると完全にこのタイプがトップシェアを握っています。

文化のグラデーションは面白いなあ。

 

黒にんにくの売り文句がなかなか秀逸(*´∀`*)。

 

そうこうする内に街道左側に弘法大師堂が現れます。

参宮者の信仰が厚かったそうですが、、何で弘法大師像が二体なんだろう?

ま、ご利益が倍になると軽く取っておくことにしましょう!丁重にお参りして先に進みます。

 

そしてその先で、いよいよ最後の市となる伊勢市に突入!!全体で見ると終盤戦ですね。

 

家々は新しいものも多いですが、ナチュラルな緩~い屈曲があると頭の中でかつての姿がちょっと想像できます。

 

その先の街道右側にあるのが徳浄上人千日祈願の塔、です。

天保の大飢饉の折、ここの庚申堂で修業をしていた徳浄上人は村民を救うために伊勢の両宮(外宮と内宮)に千日間、素足で日参したそうです。

 

南無阿弥陀仏、の念仏が刻まれた三界万霊塔。

 

ああ、いい説明版がありました。上人の祈願が通じたようでよかったですね。

 

こちらが件の庚申堂ですね。

 

お参りを終えて街道に戻ると、すぐ先で右カーブからの左折に近い左カーブに差し掛かります。

クルマ通りが多くて少~うしだけ怖い。左側で存在を主張している看板は何を承ってくれていたものなのか忘れてしまいました(^^ゞ。

 

そしてその先の丁字路を右に曲がるのが伊勢参宮道のルートです。

 

右折した先にはピッカピカにリノベしたらしい民家がありました。瓦まで新しくした様子。

これが「擬古風」的な新築だったらすごいですが、側面の板といい、手の込んだリノベじゃないかなあ。

そして上側を見ると、屋根もきっちりむくってますね。

 

この家から少し進むと、ある意味この日最も楽しみにしていた場所に差し掛かります。

へんば餅の老舗の「へんばや商店」本店!!

 

事前の調べで、ここは店内でへんば餅とお茶のセットを頂けると分かっていたので、すごい意気込みで店内に入ります。

へんば餅の「へんば」は、上の「へんば餅」のリンク先のWikipediaにもありますが、馬で伊勢参宮をする旅人がここですことから返馬(へんば)という説と、「あばた」を意味する言葉との説があります。

 

へんば餅x2とお茶セットを頼んで、店内に腰掛けます。いい感じや~。

 

腰掛けてから反対側を向いて激写!

 

へんば餅が出てくるのも待ちきれない感じですが、この続きはその10でご紹介します!