自分的真夏の定番といえば、まずはこれ。

エリック・クラプトンの「461Ocean Boulevard」です。



「レイドバック」という形容詞で表現されるこのアルバム。
なんとなくわかった気分でいたけれど、実際どういう意味なんだ、って辞書をひいてみると、こういうことだった。


laid-back
[形容詞]
1 ((俗)) 〈ロック音楽が〉レイドバックの、ゆったりした、リラックスした.
2 ((俗)) 〈態度・生活などが〉のんきな、ゆったり構えた;落ち着いた;むきにならない,力りきまない
3 ((俗)) (酒・麻薬に)酔った.
4 ((俗)) 冷静な,冷淡な,無感動の,無気力な


なるほど。辞書にまで〈ロック音楽が〉と出てくるくらいなのね。元々は2の“のんき、ゆったり、落ち着いた、むきにならない、力まない”という意味なんだろうけど、3の“(酒や麻薬に)酔った”、4の“無感動、無気力”というようなニュアンスが含まれているのだな。

ただ単にゴキゲンに開放的にのんびりリラックスしているというよりは、焦点定まらずにとろーんとした感じやもう頑張る気になんねーよ、的な力みのなさ、という感じか。



1974年のこのアルバムは、酒とドラッグに溺れていたクラプトンが3年のブランクを経てシーンへ復帰した作品として知られている。

ヤードバーズとブルースブレイカーズでロック・ギターにブルースの即興性のあるインプロビゼーションを導入し、クリームでハードな即興の応酬を繰り広げたような熱気のあるプレイはこのアルバムでは聴こえてこないし、デレク&ザ・ドミノスでの繊細ながらも伸び伸びとした歌うようなブルージーなプレイともまた違う。

聴こえてくるのはよく言えばのんびりしてゆとりのある、悪く言えば閃きのないどこか締まらない音。


でも、その締まらなさがなんとも心地よいのだ。

もうめんどくさいことはしない、うじうじと思い悩んだりもしない。

ゆるゆるで行っていくんだ、みたいなクラプトンの決意が聴こえてくる気がする。

こういう酷暑に向き合うには、これくらいの構えがちょうどいい。

背負わない、頑張らない、ゆるゆるでテキトーに行こう。